研究概要 |
本年は, 腸脛靭帯炎の発症リスクとなる姿勢評価の達成すること, またランニング動作分析実験の予備実験の実施を研究実施計画として設定していた. 1つ目の計画である腸脛靭帯炎の発症リスクとなる姿勢評価として, 超音波診断装置を用い, 異なる膝および股関節角度において腸脛靭帯および大腿骨外側穎の接触する姿勢の評価を行うための実験実施を計画した. 超音波装置により取得した平面画像における腸脛骨靭帯および大腿骨外側顆の同定が難しい条件が存在したため, 広範囲の撮像視野を持ち, ボリュームデータを取得可能な磁気共鳴撮像(MRI)装置を用い, 超音波装置における測定の妥当性の確認を行った. MRI装置は測定姿勢の制限という問題があるが, 可能な限り広い関節角度領域にてデータ収集を行うよう努めた. 現在, 分析を進めている段階にあり, 妥当性が確認され次第, 本実験を実施する. 2つ目の計画として, 動作分析システムを用い, 5㎞/minの走速度におけるトレッドミル上でのランニングを対象とし, 身体標認点に貼付したマーカの座標を取得する試技, 同走速度において, 動作分析システムと電気的に同期された地面反力計測装置上を実走した際の, 地面反力およびマーカの座標を取得する試技の2条件をランニング動作分析の予備実験として行った. 予備実験で取得したデータ収集に問題がなかったことから、実験プロトコルは概ね確定しつつあるといえる。またシステム内のプログラムによる計算方法が国際バイオメカニクス学会にて推奨されるものと異なることから, 学会の推奨する計算方法を用いたデータ処理を行うことを決定した. よってシステムを用いて取得した身体標認点座標から, 関節角度データを算出するためのプログラムを自作する必要があり, そのためのプログラミング言語の習得を進めている.
|