最終年度である平成27年度では,疲労がランニング動作時における腸脛靭帯炎発症リスクに及ぼす影響についての評価を行った.被験者に20 mの走路上でのランニングを120試技行わせた際の下肢上に貼付した反射マーカの3次元座標を取得した.下腿および大腿にそれぞれの位置と方位を示す局所座標系を定義し,大腿座標系に対する下腿座標系の相対的な方位から膝関節角度を算出した.接地期における平均および最大膝屈曲角度は,120試技の内の初期と比較して終期で大きな値を示した.繰り返しのランニングを行うことで膝伸展筋群が疲労し,その結果接地期における膝屈曲角度が増加した可能性が示唆された.
|