研究課題/領域番号 |
13J10710
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金丸 雄祐 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / ホスファターゼ / ゲノムワイドsiRNAスクリーニング / 膜電位 / 膜内切断 |
研究実績の概要 |
本研究は、「PARL による PGAM5 の膜内切断」を「新たなミトコンドリア内膜電位低下感知システム」としてとらえ、PGAM5 切断上流因子のゲノムワイド siRNA スクリーニングを行い、ロンボイドプロテアーゼPARLの活性制御機構の解明、及びミトコンドリア膜電位センサーの同定によるミトコンドリア膜電位低下ストレス感知システムの解明を目的とする。今までの研究結果から、PGAM5 は、ミトコンドリア膜電位低下というストレスに応答し、ミトコンドリア局在型ロンボイドプロテアーゼ PARL により、膜内切断を受けることが明らかとなっている。近年、PGAM5と同様に、様々なミトコンドリア局在分子の切断が、ミトコンドリア膜電位低下に伴って正もしくは負に制御されることが明らかとなってきている。これらの例はいずれもミトコンドリアのストレス応答に関与することが示唆されていることから、ミトコンドリア膜電位低下を感知し適切な応答を導くことは、生体にとって重要なストレス応答のひとつであると考えられる。しかしながら、これまでミトコンドリアの膜電位を感知してシグナルを伝えるメカニズムは不明な点が多く残されていた。このような知見より、私はミトコンドリア膜電位低下依存的なPGAM5の切断を指標としたゲノムワイドsiRNA スクリーニングを行うことで、ミトコンドリアの膜電位を感知し、応答するメカニズムを明らかにしようと考えた。スクリーニングを行うために蛍光顕微鏡で取得した画像の自動解析よるハイコンテントスクリーニング系を完成させた。そして、実際に構築したシステムと約1,8000遺伝子の siRNA ライブラリーを用いて各々の遺伝子を網羅的に発現抑制し、PGAM5の膜内切断に影響を与える因子のスクリーニングを行った。この結果と統計的解析をもとにPGAM5の膜内切断に影響を与える因子を数十遺伝子同定することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
候補遺伝子の絞り込み、及び候補遺伝子の解析、共に当初の計画通り進行しており、最終的な目的達成に向け、おおむね順調に進展していると考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
【スクリーニングにより決定した最終候補遺伝子の解析】 候補遺伝子の膜電位低下やPGAM5の切断に対する応答性の検討を行い、PGAM5、PARL 、及び他の制御因子との空間的な位置関係を明らかにする。これらの解析によって、ロンボイドプロテアーゼの活性制御モデル、およびミトコンドリア膜電位低下ストレスの認知機構の分子メカニズムの提唱を目的とする。
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