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2013 年度 実績報告書

細菌のリボソーマル RNA 修飾の病原性における機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J10776
研究機関東京大学

研究代表者

久間 達彦  東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードRNA修飾 / 病原性細菌学
研究概要

本研究の目的は、rRNA修飾が病原性に寄与するメカニズムの解明である。これまでにrRNA修飾の生理的意義はよくわかっていなかった。我々はこれまでにこrRNA修飾の生理的意義に迫る知見として、rRNAメチル化酵素が細菌の病原性に寄与するという結果を得ている。このメチル化酵素が病原性に寄与するメカニズムの解明により、これまで不明であったrRNA修飾の生理的意義の解明が期待できる。我々はこのメカニズムの理解に向け、活性酸素種に着目した。活性酸素種は、細菌が宿主環境に置いて免疫細胞から受けるストレスであるとともに、リボソームに対するストレスであるため、rRNAメチル化により、細菌の活性酸素種耐性が導かれると考え、これを検証した。その結果、rRNAメチル化酵素の破壊株が酸化ストレス感受性を示したため、rRNAメチル化が酸化ストレス耐性に寄与すると判断した。また、酸化ストレスを除去する薬剤の投与により、rRNAメチル化酵素の破壊株病原性低下はキャンセルされた。以上から、rRNAメチル化酵素は酸化ストレス耐性への寄与を介して病原性に寄与すると判断した。
また、rRNAメチル化が酸化ストレス耐性に寄与するメカニズムの解明にも挑戦している。これまでに、酸化ストレスはRNAを酸化することでRNAの機能の異常を導くことが知られている。この知見から私は、rRNAのメチル化が酸化ストレス存在したに置けるリボソームの構造と機能の維持に寄与すると考えこれを検証した。そしてrRNAが、メチル化を失うと酸化ストレスによる異常な化学修飾を受けやすくなること、並びに酸化ストレスの存在下でメチル化酵素の破壊株において翻訳忠実性の異常が生じる頻度上昇したことを見出した。
以上から私はrRNAメチル化による酸化ストレス存在下におけるリボソームの機能と構造の維持が細菌の病原性に寄与すると判断した。この結果は、rRNAメチル化の生理的意義を解明するとともに細菌の新規病原性発揮機構を解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究において、細菌のrRNAメチル化が酸化ストレス耐性に寄与することで病原性に寄与することを見出した。また、rRNAメチル化が酸化ストレス耐性に寄与するメカニズムの一端を解明した。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでに行った実験について、遺伝子再導入実験等を追加することで証明のレベルを高めるとともに、rRNAメチル化が酸化ストレス耐性に寄与するメカニズムの更なる解明を試みる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 黄色ブドウ球菌の病原性発現におけるrRNAのメチル化の役割2013

    • 著者名/発表者名
      久間達彦
    • 学会等名
      第12回次世代を担う若手ファーマ・バイオフォーラム2013
    • 発表場所
      東京大学 (東京都)
    • 年月日
      2013-09-14

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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