• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

いじめに関わる人物の行動に影響する要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J10855
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

山岡 あゆち  お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードいじめ / オストラシズム / 間接的攻撃 / 凝集性 / 相互作用の期待
研究概要

従来のいじめに関する研究では、いじめの集団における生起という特徴が反映された量的な研究は少なく、主に加害者の攻撃性や情緒的共感性などの個人差が扱われてきた。一方、社会心理学の分野で検討されてきたオストラシズムという現象がある。オストラシズムとは、個人や集団によって社会的に排除や無視されることである。オストラシズムに遭遇した際に、人がどのような行動をとるかどうかを検討することで、いじめの集団的な性質について検討することが可能となる。そこで、本研究は、オストラシズムの実験パラダイム(Williams, 2009)を元に、オストラシズムに遭遇した人物の行動及び感情への影響を検討した。
本年度は、本研究の一環として実験1を実施した。実験1では、女子大学生を対象に、5人で行うボールトスゲームにおいて、1人が仲間外れにされるかどうか(オストラシズムの有無)、及び集団の要因として試行の後の凝集性の高低(2)×対人相互作用の予期の有無(2)の3要因被験者間計画であった。その結果、オストラシズムの主効果が有意に見られ、オストラシズムに遭遇した場合、オストラシズムに加担しないという結果が見られた。そして、対人相互作用の予期との交互作用が傾向差で見られ、期待がある場合のほうが被害者を助けなかった。また、参加者の感情に与える影響としては、小川ら(2000)を用いて、事前事後の感情を測定したところ、オストラシズムが安静状態を傾向差で低下させたが、肯定的感情と否定的感情には影響を及ぼさなかった。オストラシズムの被害を受けることについては、自動的な処理が行われ、ネガティブな感情が引き起こされることが指摘されているが(Williams, 2009)、オストラシズムへの加担ではこのような結果は見られなかった。引き続き、どのような状況が加担につながるかを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、実験1を実施し、平成26年の社会心理学会にて発表予定である。

今後の研究の推進方策

研究計画では、プログラムをより「人間の存在」を感じさせないことでオストラシズムの目撃時の行動がどう変わるかを検討する予定であったが、「いじめ」の場面での応用可能性を高めるために、「いじめ」場面で多く指摘される集団のもつ特徴などを、条件として検討する予定である。実験1で交互作用が傾向差で見られた対人相互作用の期待についてより深く取り上げ、より「いじめ」のシミュレーション状況に近づける方向で研究計画を修正する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] オストラシズムに遭遇した人物のとる行動についての実験研究(1)2014

    • 著者名/発表者名
      山岡あゆち・坂元章
    • 学会等名
      日本社会心理学会第55回大会
    • 発表場所
      北海道北海道大学(発表確定)
    • 年月日
      20140726-27
  • [学会発表] 教員・保護者・一般成人を対象とする法意識に関する調査(1)―法に対する意識―2013

    • 著者名/発表者名
      山岡あゆち・橿淵めぐみ・堀内由樹子・猪股富美子・八巻龍・鈴木佳苗
    • 学会等名
      日本社会心理学会第54回大会
    • 発表場所
      沖縄県 沖縄国際大学
    • 年月日
      2013-11-02
  • [学会発表] 生徒指導における連携に関する教員の意織(2)―生徒間のトラブルにおける被害届の提出に対する意識―2013

    • 著者名/発表者名
      山岡あゆち・橿淵めぐみ・堀内由樹子・猪股富美子・八巻龍・鈴木佳苗
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回総会
    • 発表場所
      東京都 法政大学
    • 年月日
      2013-08-18

URL: 

公開日: 2015-07-15  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi