研究課題
1)修士論文で行った研究を論文にまとめた。本論文は若い原始星[BHB2007]#11に付随した回転する分子流の発見、若い回転平衡円盤の発見について記述したものである。若い回転平行円盤は現在までに十例以下の発見しかなく、円盤の進化を知る上で重要な意義を持つものである。また、回転する分子流は角運動量を放出する上で重要であり、これからより根元の詳細観測が必要とされる。2)天球面上に放出される分子流を調べるため、オリオン-A分子雲の高空間分解能かつ広い領域を観測するプロジェクトにおいてデータの取得・解析を担った。分子流をサーベイするためには広い領域を観測することが重要である。一方で、オリオン-A分子雲は星団的に星が形成されている混みいった領域であり、オリオン-A分子雲において分子流をサーベイするには高い空間分解能が必要となる。本プロジェクトは約1分×1分(26光年×26光年)の領域を約10秒(0.07光年)という高い空間分可能で観測するものであり、最も広いダイナミックレンジをもつ観測である。筆者はこのプロジェクトにおいて野辺山 45m 鏡でのデータの取得に従事した。また、同領域はアメリカにある干渉計Combined Array for Research in Millimeter-wave Astronomyでも観測されており、筆者はその干渉計データの解析及び野辺山 45m 鏡で取得されたデータと干渉計データを足し合わせにアメリカにひと月ほど滞在し従事した。本研究については来年度にデータの全てが取得されることが期待されるため、来年度に研究のまとめを行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
天球面上に沿った分子流を見つけるため、野辺山 45m 鏡とアメリカの干渉計におけるプロジェクトに従事しており、解析は順調に進んでいる。また、論文の投稿も予定通り行った。
来年度は野辺山 45m 鏡とアメリカの干渉計のデータの取得が完了するため、データのまとめを行う。また、来年度末には現在最も大きい結合型干渉計であるAtacama Large Millimeter/Submillimeter Array (ALMA)の観測提案受付があるので、それに向けて少し小さめのSubmillimeter Array (SMA)に向けて現在観測提案を行い、データを集め、現在の研究結果の補強を行う。
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Astro Physical Journal
巻: 771 ページ: 128-143
10.1088/0004-637X/771/2/128