研究課題/領域番号 |
13J10965
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
池野 成裕 明治大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 結晶Si太陽電池 / パッシベーション / 絶縁膜/Si界面 / 膜中固定電荷 |
研究概要 |
結晶シリコン(Si)太陽電池の高効率化を達成する為には、絶縁膜/Si界面の制御および絶縁膜中の物性を詳細に調査することが重要である。本研究では、絶縁膜中の固定電荷に着目し、起源の解明ならびに制御を試みる。現在の結晶Si太陽電池は基板が薄型化され、表面の影響が支配的になることが問題となっている。そこで、上述したようにSi表面を絶縁膜で被覆するパッシベーション膜を用いることが高効率化に対する重要な技術に位置付けられている。膜中固定電荷の起源を解明することにより、Si中のキャリアとなる電子およびホールをSi表面から分散させ、キャリアの損失となる再結合を抑制する機構へと応用する。このキャリア再結合を抑制する機構は、膜中固定電荷により誘起される電界を用いることから電界効果パッシベーションと呼称され、極限結晶Si太陽電池を実現させるために世界中の研究機関により材料・プロセスといった実太陽電池デバイスに応用をする研究がなされている。 本研究では、新規パッシベーション膜材料を探索する事を目的とし、膜中固定電荷の発生の起源について調査する。また、単一材料から複合混晶材料に拡張し、固定電荷を効率よく利用する新規構造も新たに提唱をする。これらが達成されることにより、現在の太陽電池開発における高効率化が停滞している問題において、ブレイクスルーとなる材料技術を確立する。本研究は、太陽電池デバイスのみに関わらず、集積回路(LSI)にも拡張をし得る技術であり、双方向からのアプローチを実現していることも大きな特徴である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単一材料の固定電荷密度の検討から、複合混晶材料の検討を行い、文献として報告されている固定電荷密度を大幅に上回る材料の探索に成功した。また、絶縁膜/Si界面の制御に関する調査では、大型放射光施設SPring-8の特徴ある装置を用いた評価により、反応層の形成による混晶材料の安定化といった新たな知見が得られ、界面反応のモデルを提唱した。
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今後の研究の推進方策 |
材料探索のデータベースの充実を目的とした、新規材料の合成および探索を行う。新規材料にはタンタル(Ta)酸化物やニオブ(Nb)酸化物といった、複数の酸価数状態を取る材料を選定し、価数の制御と固定電荷の制御に関する相関について検討を行う。また、太陽電池の実デバイスによる特性の検証を行う。また、酸価数の決定には、光電子分光法により行うが、絶縁膜/Si界面の反応を同時に情報として取得する為に、硬X線光電子分光を用いた評価により、表面と界面の情報を同時に取得する手法を扱う。
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