• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

卵の発育に特化した卵胞発達の分子内分泌学的解析とその体外培養系への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13J11037
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

川島 一公  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード卵胞 / カルパイン / カルパスタチン / 黄体 / 髄質 / 卵胞 / 卵 / 髄質構成細胞
研究実績の概要

卵は、卵巣内の卵胞と呼ばれる小組織によって制御されており、これらを体外で培養するためにはその機能を知る必要がある。昨年度は(1)卵胞の黄体期に特化した研究を行い、有用な結果を得ることができた。さらに(2)卵胞の周囲を覆う髄質が極めて特殊な機能を有していることを見出し、分子生物学的な証明を行っている。その研究の詳細は以下に記す。
(1)黄体機能の分子メカニズムの解明とその制御系の発見:黄体は、卵胞発育の最終ステージであり、妊娠維持のためのProgesterone生産など重要な機能を有する。申請者は、これまで顆粒膜細胞が黄体細胞に分化するには酵素カルパインの活性が時間特異的に機能することによるものであることを発見した。その時間手奥意的な制御には、NFkB活性によるカルパスタチン発現によることを示唆するデータを得ている。
(2)卵胞発育に影響を及ぼす卵巣髄質内の機能性細胞の同定
これまでの研究によって、体外培養時に卵胞培養の構造維持には髄質細胞由来の未知の因子が関与していること、その発育には卵胞周囲の髄質細胞そのものが必要であることを示唆するデータが得られていたことから、髄質細胞の機能を検証する必要が生じた。しかし、髄質細胞に関しては、ほとんど報告がないことから、その構成している細胞の分類が必要となった。そこで、その分類を可能にするために、髄質細胞を切り分け、細胞を限界希釈、あるいはSingle cell sortによって一細胞に単離し、その細胞を増殖させる因子を同定し、髄質細胞種の解析のためのプロトコールを作成した。さらに髄質細胞の表面抗原を網羅的に解析し、卵巣内髄質には少なくとも数種類の細胞が混在して存在していることを示唆するデータが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

卵胞の体外培養系を樹立する上で、ほとんど文献がない卵巣髄質細胞の関与が重要であるとの結論を得た。しかし、その髄質の実態がほとんど不明であるため、髄質の単離からその構成細胞を調べるためのプロトコール作製に時間を要した。しかし、受け入れ研究者や専門家の先生からのご教授、ご助言により、これらのプロトコール作成が完了し、卵胞培養系への影響を検討する体制が整った。

今後の研究の推進方策

卵胞発育に影響を及ぼすと考えられる髄質由来細胞の解析を行い、卵覆う発育に有用な分泌因子を同定し培養系を完成させる予定である。具体的には、単離した髄質由来細胞群から一細胞に単離した後に、増殖させた髄質由来細胞種を用いた実験に特化する。初めに、樹立した細胞種の遺伝子の網羅解析、卵巣内移植による局在、形態学的な違いを用いて髄質細胞種の分類と、その分子生物学的特性を明らかにする。さらに、受け手となる卵胞と共培養あるいは、コンディションドメディウムを用いた培養を行い、卵胞に対する影響、卵の発生率・受精率に対する影響を調べる。さらに有意な影響が見られた細胞種あるいは培養液をマイクロアレイ、またはプロテインアレイによってその因子の同定を行い、完全体外培養系の開発を完了させる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Targeted disruption of Nrg1 in granulosa cells alters the temporal progression of oocyte maturation.2014

    • 著者名/発表者名
      Kawashima et al
    • 雑誌名

      Molecular Endocrinology

      巻: 28 ページ: 706-721

    • DOI

      10.1210/me.2013-1316

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi