研究実績の概要 |
オートファジーは、自己の構成成分の分解を通じて細胞内リサイクルシステムとして機能する。これまで、オートファジー研究はタンパク質分解機構として理解されており、酵母では特に窒素源(アミノ酸)の枯渇によりオートファジーは強く誘導される。他の栄養源飢餓でもオートファジーが誘導されるかどうかを知る目的で、様々な培養条件を探索し、その結果亜鉛飢餓でオートファジーが誘導されることを見いだした。窒素源飢餓と異なり亜鉛飢餓によるオートファジーは誘導されるまでにタイムラグがあることがわかった。細胞内の亜鉛量がかなり低下したときに初めて起こることが分かり、オートファジーの変異体では、亜鉛飢餓時の細胞増殖が低下した。亜鉛飢餓時には、オートファジーによりタンパク質に結合している亜鉛がリサイクルされる可能性を支持する結果となった、論文として受理された (JBC, in press)。 また、オーファジーと鉄の関連についても、上記の亜鉛論文とback to backで論文が受理された。
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