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2014 年度 実績報告書

高効率DNA内シグナル伝達システムの構築とDNA光切断を用いた遺伝子操作法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13J40062
研究機関筑波大学

研究代表者

田仲 真紀子  筑波大学, 生命領域学際研究センター, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードDNA / PNA / 人工核酸 / チアゾールオレンジ / 光損傷 / 8-オキソグアニン / 蛍光プローブ
研究実績の概要

本研究では、人工核酸PNAを用いた光による新たなDNA操作法の開発を目指している。オフターゲット認識を抑制し、巨大DNAの特定の配列を正確に認識できる人工核酸としてPNAが知られているが、本年度の研究によってPNAの末端にチアゾールオレンジ(TO)を修飾したPNAが任意のDNAの配列に対する精密な蛍光プローブとなると同時にDNAに位置選択的に光損傷を与えるツールとなることが分かった。本研究では長鎖DNA中にPNAの二本鎖インベージョン(侵入)を起こさせるためにpcPNA(pseudo-complementary PNA)を用いている。pcPNAの核酸塩基は、安定なDNAとの二本鎖形成のために天然の核酸塩基A,Tのかわりにそれぞれ2,6-ジアミノプリン(D)、2-チオウラシル(Us)を用いている。このpcPNAのN末端側にPEGリンカーを介してTOを化学修飾した。TOは水溶液中ではほぼ非蛍光性であるが、pcPNAがDNAのターゲット配列にインベージョンした際に両末端の二重鎖部分のDNAにインターカレートして強い蛍光発光を示す設計となっている。基質DNAとして数百bpおよびプラスミドDNAを用いたが、ターゲット配列を持つDNAでのみ強い蛍光発光が見られた。また二重鎖DNAに対して一塩基対の違いも簡便に蛍光発光で認識できることがわかった。またTOは光励起により一重項酸素を発生させるためインベージョンコンプレックスの光照射により、ターゲット近傍に8―オキソグアニンが生成することがわかった。このように本年度の研究では巨大DNAの特定の配列を正確に認識できる人工核酸PNAの末端にTOを修飾させたものを合成し、位置選択的にDNA光損傷を起こす系を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

二重鎖DNAのターゲット位置を詳細に認識し精密な蛍光プローブとなると同時に、ターゲットに対して位置選択的に光損傷を与えることができる修飾PNAを開発することができたため、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後はさらに効率的に位置選択的損傷を可能とする系を検討している。また修飾PNAにより任意の場所が光損傷を受けたDNAを修復のためのドナーDNAと共に細胞内に導入し、相同組み替え修復の評価を行うことにより、光損傷によって誘起される位置選択的なゲノムの修復など新たな光遺伝子操作法の開発を目指している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Thiazole orange-conjugated peptide nucleic acid for fluorescent detection of specific DNA sequences and site-selective photodamage2014

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M, et al.
    • 雑誌名

      RSC advances

      巻: 4 ページ: 63533-63538

    • DOI

      10.1039/C4RA13780A

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] チアゾールオレンジ修飾ペプチド核酸による二本鎖DNA中での特定配列の蛍光検出と位置選択的光損傷2015

    • 著者名/発表者名
      田仲真紀子、他
    • 学会等名
      第95回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンバス(千葉県船橋市)
    • 年月日
      2015-03-26

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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