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2013 年度 実績報告書

免疫グロブリンによる硬組織制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13J40074
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

小澤 綾子  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(RPD)

キーワード免疫グロブリン / 免疫グロブリン受容体 / 硬組織 / 破骨細胞
研究概要

免疫グロブリンは炎症や免疫応答に深く関与し、その受容体である免疫グロブリン受容体、FcγRと会合して細胞表面上に発現し、細胞内にシグナルを伝達する。我々の研究グループは、FcγRが破骨細胞前駆細胞に発現するITAM分子と破骨細胞を制御することを明らかにしたが、破骨細胞分化でのFcRγや免疫グロブリンの意義は不明な点が多い。一方、関節リウマチ(RA)等の自己免疫疾患だけでなく、意義未確定単クローン性免疫グロブリン血症においても骨粗鬆症が観察され、これら疾患に共通する特徴として免疫グロブリンの高値があげられる。そこで、免疫グロブリンが破骨細胞分化機能に直接的、決定的に制御することを生体レベルで証明し、そのメカニズムを分子レベルで解明していく。本研究は免疫グロブリンが関与する骨疾患を理解し、治療のための分子基盤を確立する上で重要である。
本年度は、マウスの破骨細胞に存在する4種類のFcγRのうち、抑制型FcγRIIBと活性型FcγRIIIが優位に発現することを見出し、FcγRIIB欠損マウスの解析に着手した。FcγRIIB欠損マウスは自己免疫疾患を自然発症することがしられている。そこで、それらにより誘発する骨への影響を回避するため、FcγRIIB欠損マウスの骨組織を経時的に解析し、自己免疫疾患と骨表現型の運関を明らかにした。FcγRIIB欠損マウスでは、IgG1抗体の上昇が12週令からみられたが、12週令ではRAや炎症といった自己免疫疾患の症状はみられなかった。IgG1抗体産生が野生型マウスと同レベルな6週齢マウスの骨組織を解析した結果、骨量に顕著な差は見られなかった。このマウスから採取した破骨細胞前駆細胞を用いた in vitro 培養系では、破骨細胞分化に差は見られなかった。これらのことから、生理的条件下ではFcγRIIBの欠損は骨組織に影響を与えないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、計画的に実験を行うことができ、研究の進捗状況は順調である。現在は出産および育児による採用の中断により、中断しているが、国際誌への投稿の準備も着実に進めている。採用中断終了後、さらに実験を進め、研究成果を発表し、今後につなげていきたい。

今後の研究の推進方策

免疫グロブリン受容体、FcγRIIBはFcγRIIIの活性化を抑制することで機能を発揮している。よって、生理的条件下、つまり免疫グロブリンの非存在下での破骨細胞分化において、FcγRIIIは活性化していないか、またはFcγRIII活性化は破骨細胞分化を促進しない、という可能性が考えられるため、FcγRIII欠損マウスの骨組織を解析し、免疫グロブリンのFcγRIIB/FcγRIIIを介したシグナルがどのように破骨細胞分化に影響するかを明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東京大学医学系研究科免疫学高柳教室

    • URL

      http://www.osteoimmunology.com/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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