研究課題/領域番号 |
13J40090
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小池(遠藤) 智子 筑波大学, 人文社会系, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 相互行為言語学 / 家庭内相互行為 / 会話分析 / 反応の追求 / 行為指示 |
研究実績の概要 |
研究のためのデータ利用環境をさらに整えるため、前年度に開発した検索システムの改良を行った。8月に開催された関連研究者とのデータセッションの際に当時の状態でのデモンストレーションと改良点の検討を行い、二名の技術者と協力して、ファイル名やビデオ内の時間表示等データ自体の状態改善、および検索時の条件指定や、検索結果表示の際のエラー解決を行った。 研究内容としては、予定通り、今年度の前期は「てあげる」構文の使用に焦点を、後期は「いや」「だめ」等の発話に焦点をあてて分析を行った。「てあげる」構文に関しては、5月の英文学会では会話分析のシンポジアでインタラクション的側面に関しての発表を、9月の認知言語学会では文法的側面に関しての発表を行い、後者は認知言語学会の論文集掲載の論文として文章にまとめた。12月には台湾・淡江大学を訪問し、共同研究者およびその学生とデータセッションを行い、次年度の国際語用論学会で発表予定の「いや」「だめ」に関する論文の準備を行った。 また、2014年度の開始時から、立教大学の是永論氏、帝京大学の森一平氏とともに、住宅メーカーのミサワホームの研究所の協力のもと、家の構造が家庭内インタラクションにもたらす効果についての研究プロジェクトに参加している。月一度のペースで研究報告のミーティングを持ち、コンスタントに分析内容を検討することで、データコレクションが複数蓄積されている。2015年度は国際学会でその成果の一部を発表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたデータ収集は倫理委員会審査の準備に時間を要するため見送ったが、ある住宅メーカーの研究所との共同研究に参加することになり、そこで蓄積しているデータの利用が可能になったため、データの量を増やすという目的は達成された。また、月に一度のペースで分析報告会を行っているため、データコレクションの蓄積も順調である。研究内容としては予定通り学会発表と論文執筆を行い、また高田明氏と共同執筆した論文も受理されたため、研究の進展は順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は7月の国際語用論学会、8月の国際エスノメソドロジー・会話分析学会で研究発表が受理されており、年度の前半はその準備を通じて分析を掘り下げていく。平行して、技術者と共同開発した検索システムの一般公開に向けての準備を整える。年度後半は、学会発表した内容を論文としてまとめて投稿するとともに、修辞疑問連鎖についての分析を行う。
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