研究課題
マイトファジー誘導の際に、これまで判明している相互作用因子、オートファジーの必須因子Atg8の発現プロファイルをコントロールとして確認するうちに興味深い現象を見いだした。ウェスタンブロット上の高分子領域に、Atg8抗体にて検出されるラダー状のシグナルである。これらは、オートファジーにもマイトファジーにも依存しないが、オートファジーの必須因子群の欠損においては、それらのパターンの消失がみられる。Atg8はリン脂質に共有結合するユニークなユビキチン様タンパク質として知られているが、それ以外の修飾様式については謎のベールに包まれたままである。そこで、従来の知識を超えたAtg8の結合様式を検証し、結合タンパク質を網羅的に同定するべく、この高分子領域バンドの質量分析を行った。長らくの間、Atg8の結合基質は、フォファチジルエタノールアミンだけが知られていたが、質量分析の解析で、Atg8がAtg3と共有結合している可能性が示唆された。平成27年度では、これらの高分子量化に関わる因子群として、オートファジー関連因子欠損株を、Atg8の高分子量化の基質のいくつかに的をしぼり、それらの結合様式、領域の解析を進めている。平成27年度は上記で同定していた因子の特性が偶然、他のグループの研究報告からもあきらかとなり、Atg8の高分子量化の基質候補としてこれを中心に研究を推進している。これまでAtg8の唯一結合基質として知られていたPE以外にもAtg3や、機能未知のいくつかの新規タンパク質が、当研究を通じて初めてAtg8と共有結合していることが明らかにされつつある。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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EMBO Journal
巻: 34 ページ: 2703-2719
10.15252/embj.201591440
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/okamoto/Okamoto_Lab/