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2013 年度 実績報告書

食物中の有害物質タンニンの無毒化に関わるタンパク質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J40192
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

土原 和子  独立行政法人森林総合研究所, 野生動物研究領域, 特別研究員(RPD)

キーワードタンニン / 結合タンパク質 / 無毒化 / 森林性げっ歯類 / 質量分析
研究概要

・アカネズミの唾液に含有するタンニン結合タンパク質の同定をおこなった。
アカネズミ(盛岡産)の唾液からタンパク質を抽出し、電気泳動(SDS―PAGE)をおこない、候補タンパク質3種類のアミノ酸シークエンスをおこなった。3種の候補タンパク質のうち、1種はマウスのProline Rich Proteins (PRPs)と相同性が部分的にあったため、候補タンパク質であると考えられる。残りの1種はN末端がブロックされていた。もう1種は、新規タンパク質の可能性があるが候補タンパク質の可能性は低い。
・森林性げっ歯類唾液中に含まれる候補タンパク質の検出と機能解析をおこなった
アカネズミ以外の森林性げっ歯類のタンパク質を抽出して、SDS-PAGEをおこなった。また、アカネズミにおいては、盛岡と静岡のサンプルで比較をおこなった。サンプルは、アカネズミ(盛岡)、アカネズミ(静岡)、ヒメネズミ、エゾチヤネズミ、ニホンリス、シマリスの6サンプルにおいて実験をおこなったところ、アカネズミ(盛岡)、アカネズミ(静岡)ヒメネズミのそれぞれ25kD付近の1バンドにおいて、タンニンとの結合能を確認することができた。しかし、エゾチヤネズミ、ニホンリス、シマリスにおいてはタンニンとの結合能は検出できなかった。唾液においては、プロリンとの結合が確認できているため、立体構造の変化に伴い、結合できない可能性が考えられる。
また、アカネズミの唾液に含まれるタンパク質においては、産地の違いによる差を確認することができた。盛岡産では候補タンパク質が3種検出できたが、静岡産では5種類検出できた。また、電気泳動のバンドパターンから、含まれるタンパク質量も異なることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アミノ酸配列を得るために、アミノ酸シークエンスを3回おこなったが、10残基以上の配列が得られなかった。そこで、質量分析(MassおよびMsMs)をおこなったが、良好な結果は得られなかった。調べてみると、サンプルの組成の問題(プロリン含有量が多いのでイオン化しにくい)がわかった。タンパク質の性質上、既存の方法ではうまくいかず、方法論の見直しが必要となったため、予定よりもやや遅れている。

今後の研究の推進方策

十分な長さのアミノ酸配列を得るために、アミノ酸シークエンにおける染色法の検討をおよび、抽出・精製法の改良をおこなう。また、質量分析におけるマトリックの検討や、消化する酵素の検討をおこない、候補タンパク質における最適な条件を検討する。
アミノ酸の部分配列が得られれば、既存の他種(マウスなど)のPRPsや有毒物質結合様タンパク質をデータベースで検索し、既存の配列をもとにプライマーを設計する。そして、アカネズミの唾液腺からRNAを抽出しcDNAを得て、候補遺伝子を単離し、機能解析をおこなう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 生息環境に適応した昆虫の振動反応性と接着機能2014

    • 著者名/発表者名
      椿玲未、細田奈麻絵、北島博、深谷緑、神崎菜摘、小池卓二、黒田克史、森直樹、西野浩史、野村周平、土原和子、矢崎健一、Voigt D. 髙梨琢磨
    • 学会等名
      日本化学会(第94春季年会)
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2014-03-27
  • [学会発表] マツノザイセンチュウにおける抗菌ペプチドの同定2013

    • 著者名/発表者名
      土原和子、髙梨琢磨、菊地泰生
    • 学会等名
      日本動物学会(第84回大会)
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2013-09-28

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公開日: 2015-07-15  

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