ボーダレス化時代における法システムの再構築

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13NP0101
• 研究種目: 創成的基礎研究費
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 渡辺 浩 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10009821)
• 研究分担者: 大村 敦志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30152250) ; 中谷 和弘 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60164216) ; 江頭 憲治郎 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20009822) ; 城山 英明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (40216205) ; 長谷部 恭男 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80126143)
• キーワード: ボーダレス化 / 法システム / 再構築 / 法的制度 / 法概念 / 法的形成

研究概要

本研究は、これまでの法学の専門分野を組み替える必要をも念頭に置いて、現代世界における多様な「ボーダーレス化」現象の法システムに対する影響を認識することを目的とするものであるから、まず、顕在化している様々な問題の背後にどのような変動要因が絡み合いつつ作用しているかを、専門分野を超えて研究することが必要となる。そこで、本年度においては、5つの問題群を設定し、各々について責任を負うエージェントが専門分野横断的研究チームを組織し、各問題群毎に「ボーダーレス化」にともなう法的諸現象の現状について、具体的素材に即して、共同研究を進めた。研究チームは、法学政治学を専攻する国内の研究分担者(各問題群に公法、私法、国際法、基礎法学、政治学の専門家を幅広く加える)に加えて、工学・理学・医学系等の関係分野の専門家、企業・政府等における実務家、海外の専門家にも様々な形で参加を依頼し、学際的・国際的作業が行えるようにした。具代的には以下の問題群に分かれて検討した。(1)経済-国際資本市場に関して。(2)安全-国際的なテロ対応等に関して。(3)社会-社会保障供給形態等に関して。(4)情報-放送等に関して。(5)環境・人間-交通・エネルギー・生命工学等に関して。そして、以上の作業に基づき、具体的問題群毎に、基礎的資料の整備、ホームページ等を通した研究会内容のアウトリーチ、ワーキングペーパー作成の準備を行い、次年度以降の研究の基礎を構築するとともに、部分的には成果も公表した。

研究成果

• [文献書誌] 酒井良啓: "租税政策と通商政策"塩野宏先生古稀記念論文集『行政法の発展と変革・下巻』有斐閣. 下巻. 517-541 (2001)
• [文献書誌] Yoshihiro Masui: "National Report : Japan"IFA, Electronic Commerce, Cahier de droit fiscal international. Vol.86a. 545-561 (2001)
• [文献書誌] 中谷和弘: "米中軍用機接触事件と国際法"法学教室. 9月号. 49-59 (2001)
• [文献書誌] 中谷和弘: "海賊に関する法律問題"落合誠一・江頭憲次郎代表編集「海法大系」. (近刊)(未定). (2002)
• [文献書誌] 大村敦志: "ローラン・ルヴヌール「フランス民法典とヨーロッパ人権条約・ヨーロッパ統合」"ジュリスト. 1204号. 40-50 (2001)
• [文献書誌] 大村敦志: "サビーヌ・マゾー=ルヴヌール「個人主義と家族法」"ジュリスト. 1205号. 79-83 (2001)
• [文献書誌] 長谷部恭男: "通信と放送"ジュリスト. 1192号. 106-111 (2001)
• [文献書誌] 長谷部恭男: "通信制度とグローバライゼーション"法律時報. 74巻1号. 10-15 (2001)
• [文献書誌] 城山英明: "環境政策と国際関係"『講座:環境経済政策学』岩波書店. (未定). (2002)
• [文献書誌] 江頭憲治郎: "「EDI」海法大系"商事法務研究会. 20 (2002)
• [文献書誌] Atsushi Omura: La droit patrimonial de la famille. Le conjoint et l'entreprise familiale.
• [文献書誌] 長谷部恭男: "放送制度の現代的展開"有斐閣. 284 (2001)