研究課題/領域番号 |
13NP0101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 浩 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10009821)
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研究分担者 |
大村 敦志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30152250)
中谷 和弘 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60164216)
江頭 憲治郎 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20009822)
城山 英明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (40216205)
長谷部 恭男 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80126143)
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キーワード | ボーダレス化 / 法システム / 再構築 / 法的制度 / 法概念 / 法的形式 |
研究概要 |
本年度は、経済問題群、安全保障と刑事法問題群、社会問題群、情報問題群、環境人間問題群に分かれて、各々分野横断的に、法システム変容の最前線においてどのような現象がおきているのかについて、具体的に検討を深めてきた。経済問題群においては、規制緩和等が進む中での中間的組織の法的取り扱いの問題(例えば特殊法人による公共債のデフォルト問題の扱い)、そのような競争的市場の中での政府の役割(調達制度の公共的目的での利用)等が取り上げられ、安全保障と刑事法問題群では、刑事法の国際的展開、テロに対する国際法的・政策的対応、国際刑事裁判所設立をめぐる諸問題等が取り上げられ、社会問題群では、児童の福祉、子供の権利をめぐる諸問題(イギリス1989年児童法、児童福祉をめぐる介入と援助の間、離婚に伴う養育費の行政組織による徴収)、外国人・女性の法的地位、家族の概念(社会保障における個人と家族、フランスにおける同性の共同生活に関する法的基盤)、人権保障の仕組み(ペルー等における人権擁護団体の役割)等が取り上げられ、情報問題群においては情報化の進展に伴う取引法制の変容(電子商取引化と一般的民法の関係等)、通信サービスにおけるユニバーサルサービス確保・接続に関する法的規制が取り上げられ、環境人間問題群では、環境法における公私協働法形式とその実際、土壌浄化責任をめぐる責任分担、医療生命倫理における専門家団体の役割、食品安全規制における差異化と国際的調和化(世界貿易機関の役割等)等について取り上げられた。そして、これらについて、個別的検討を深めるとともに、横断的議論を行い、共通項として、政府と市場の関係、グローバル化の下での国境等境界の再編成、科学技術発展に伴う基本的単位しての人間観の変容、科学技術利用に伴う大規模システムにおける専門家と法律家の役割等が重要な横断的課題として浮かび上がってきた。
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