研究課題/領域番号 |
14002006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
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研究分担者 |
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (40173744)
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80184224)
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (90324368)
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キーワード | 重力レンズ / 太陽系外惑星 / ダークマター / ブラックホール / 恒星 / 大型望遠鏡 / マッチョ / 大面積CCDカメラ |
研究概要 |
銀河に付随する大量の、暗い天体をマイクロ重力レンズ法で検出しようというのが本計画である。今まで誰も手がけていない、5000万個の星を毎晩NZで大量測光するので、超高倍率に増光される背景天体が多数観測できる。そのため、背景天体の前面を通過する暗い天体の速度がわかり、暗い天体の位置が同定できるようになる。このため、最大の謎といわれるダークマターの有力な候補であるマッチョは、本当にハローに存在するのか、それともマゼラン雲の中にある星どうしで作られたレンズ現象なのか、という問いに回答を与えることができる。また5000万個の星を毎晩連続観測するので、マイクロ重力レンズ法でしか発見できない太陽系外地球型惑星を発見できるものとして惑星学会からも大いに期待されている。これらの研究目的を実現する道具として、できるだけ多くの星を毎晩観測できるように、約2平方度の広視野を良好な画像で観測できる大型望遠鏡と大面積のCCDカメラが必要となる。この条件を満たす望遠鏡の光学系を計算で探した結果、Ritchy-Chretien方式とNewton式または主焦点式が適切であることがわかった。しかしながらRitchy-Chretien方式にはf=1.4の鏡が必要であり、この鏡を時間内に、かつ安価に制作することは不可能であることがわかった。その結果f=2.94の主焦点式が最適であるとの結論に達した。そこで1.8m鏡のガラスの素材の調達および研磨をロシアに依頼した。完成すれば国産で最大級の、かつ安価な望遠鏡が実現する。またCCDカメラの準備として、12cmx15cmのカメラのフレームを制作した。実際にこのフレームに希釈冷凍機を設置して、CCD素子面が-80℃に冷却できるかどうかを調べた。その結果、冷却度、真空度、振動共に、我々の仕様を満たすことを確認した。
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