研究課題/領域番号 |
14002006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
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研究分担者 |
伊藤 好孝 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80184224)
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (40173744)
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (90324368)
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キーワード | 重力レンズ / 太陽系外惑星 / ダークマター / ブラックホール / 恒星 / 大型望遠鏡 / マッチョ / 大面積CCDカメラ |
研究概要 |
平成15年度には本科研費を利用して、口径1.8mの国産で最大級の天体望遠鏡、その望遠鏡を格納するための8mドーム、8000万画素を有する大面積CCDカメラを製作した。この望遠鏡は、f=3で2平方度の広視野を一度に観測できる性能を有している。そのため一度にマゼラン雲や銀河中心の星を大量に測光できる優れた性能を有しており、これが大きな特徴となっている。 平成16年度はこれらの素材を組み合わせて観測するための体制の構築に全力をあげた。日本では望遠鏡を作成した西村製作所に出かけ、実際に望遠鏡にCCDカメラを取り付け、望遠鏡の電源からでる電波ノイズを落として信号が取れるように対策をねった。その後9月初旬からドームの組み立てを現地NZテカポで開始してほぼ一ヶ月で完成させた。次いで日本から送った大型望遠鏡の現地での組み立て調整作業を10月初旬から開始し、これもほぼ一ヶ月で完成させた。その後望遠鏡のお披露目式がNZ駐在日本大使を招いて12月1日に実施された。望遠鏡の接眼レンズ部分の光軸調整を1月-2月にハルトマンテスト等で実施し、3月1日、大面積CCDカメラを使って初めて大マゼラン雲の観測ができた。ファーストライトを迎えた。平成17年4月から本望遠鏡を使用して定常観測が行われる予定である。本望遠鏡を利用して新しい知見が得られることが大いに期待される。 一方旧来からの60cm望遠鏡を利用した観測も同時に進められており、2種類の新しい発見がなされた。一つは太陽系外惑星が起こす惑星食が発見された。この例は光干渉計による追観測が可能で、必ず詳しい様相がわかるものと期待される。もう一つの例は、我々が求めている、惑星の重力レンズによって引き起こされた、典型的なイベントの発見である。新しい望遠鏡では10倍多くの星をモニターできるので、10倍このような貴重な現象が発見できるはずであるという我々の予想を裏付ける結果が得られた。
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