研究課題
H.16年度の主な研究成果は、1)1分子運動モーターであるミオシンVとVIのアクチンフィラメント上でのステップ状歩行運動と、1分子結合破断力のnm、pN計測・解析を、本プロジェクトで開発した高時間・高空間分解能顕微解析装置を用いて行った。ミオシンVについては24nmと12nmのサブステップ解析の成果をNature Struc.Mol.Biol.9月号に発表したが、その際に協同研究したE.De La Cruz博士(Yale大)とは連携を継続し、ミオシンVとViの単頭・双頭分子を提供してもらっている。2)1分子系と筋収縮系の間をつなぐナノ筋収縮系を開発してきたが、Biophys.J.への掲載が決定し、New and Notableで紹介される予定。3)心筋収縮系の自励振動(SPOC)周期が、その動物の静止心拍と強い相関があること、さらに心筋を構成するミオシン分子の滑り運動機能とも相関することを見出し、J.Muscle Res.CellMotil.誌に掲載決定。4)SPOCの分子メカニズムについて、単一筋原線維を用いた力学実験を継続し、外からの撃力に対する状態不安定性について新しい知見が得られつつある(論文準備中)。5)遺伝子組換えタンパク質についてはアクチン分子のアミノ酸置換体の調製が可能になり、滑り運動機能を検討したところ、興味深い結果を得つつある。バイオナノゲージへの発展も期待される。6)ミクロ熱励起・温度計測についてJ.Neurosci.Meth.に論文を発表し、細胞機能研究への応用を開始した。7)シャペロニンGroELの反応サイクルには、時定数3秒と5秒の2つの律速過程が存在し、前者は変性タンパク質のGroEL内部への落としこみに、後者は変性タンパク質の巻き戻しに必要な時間を確保するのに使われていることを示した(Mol.Cell誌に論文掲載)。
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