研究課題
H.17年度の主な研究成果は、1.ミオシンVとVIはアクチンフィラメント上を逆方向に歩く1分子運動モーターだが、ADPの結合能の負荷方向依存性が、歩行の向きに対応してミオシンVとVIとで逆になるという著しい性質を、本プロジェクトで開発した高時間・高空間分解能顕微解析装置を用いた1分子結合破断力測定によって見出した(論文準備中)。2.アクチンフィラメントに結合した蛍光分子の蛍光強度が、加えた負荷の大きさに応じて変化することを、フィラメント1本の蛍光イメージングによって見出した。これは、本研究課題の一つであるバイオナノゲージ実現のための第一歩である(論文準備中)。3.生理的環境で見られる心筋収縮系の自励振動(Ca-SPOC)周期が、各動物の静止心拍にほぼ一致することを見出した。この成果をもとに、心筋収縮系それ自体が自励振動であって、心拍機能の基盤となっているという全く新しい概念を提唱した(論文投稿中)。4.SPOCの分子メカニズムと関連して、ADP収縮条件での単一筋原線維の力学測定を行い、張力-筋節長関係が、通常の収縮条件とは逆になるという著しい性質を発見した(論文準備中)。この性質(筋長効果)はSPOC発現の基盤となっているものと期待される。5.遺伝子組換えタンパク質については、理研との協同研究で微小管(チューブリン)のアミノ酸置換体の研究で成果を挙げた(論文準備中)。アクチンについても、粘菌を用いたアミノ酸置換体の調製が進んでいる。6.我々が開発したミクロ温度計測法を用いて、Caイオン放出に伴う熱発生を一(HeLa)細胞レベルで検出することに成功した(論文準備中)。7.生体分子をガラス製マクロチップの微小流路に流し、蛍光を高感度に検出して数十ミリ秒毎に分離・回収できる生体分子ソーターを開発した。ある生体物質に強く結合する分子をスクリーニングするなど広範な応用が可能である。
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