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2004 年度 実績報告書

転写メディエーターによる転写制御と生理的意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14002011
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

石井 俊輔  独立行政法人理化学研究所, 石井分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)

研究分担者 島田 信量  独立行政法人理化学研究所, 石井分子遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (80391978)
品川 敏恵  独立行政法人理化学研究所, 石井分子遺伝学研究室, 協力研究員 (70344041)
キーワード遺伝子発現 / 転写制御 / 発生 / 転写メディエーター / マウス / ショウジョウバエ / 立体構造 / 転写因子
研究概要

c-Myb原がん遺伝子産物の活性がどのようなシグナル伝達経路によって制御されているのかは長い間不明であった。私達の本年度の研究によって転写メディエーターがc-Myb活性の制御に重要な役割を果たしていることが明かとなった。まずキナーゼ活性を有する転写コリプレッサーとして報告されていたHIPK2がMAPキナーゼファミリーの一つNLKと共にc-Mybに結合することを明らかにした。一連の解析から、WntシグナルがTAK1→HIPK2→NLK→c-Mybと伝達され、NLKがc-Mybをリン酸化し、プロテアソーム依存的なc-Myb分解を誘導することを明らかにした(Genes & Dev.,2004)。c-Mybに比べて強い細胞がん化能を持つv-Mybは、C端側のNLKリン酸化サイトを欠失しており、そのためWntシグナル依存的な蛋白質分解を受けにくいことも明らかにされた(JBC,2004)。
一方、c-MybにはSki, N-CoR, mSin3A, TIF1βの4つのコリプレッサーが協調的に結合することが明かとなった(JBC,2004)。これらのコリプレッサーはコアクティベーターCBPと競合的にc-Mybに結合し、c-Mybの転写活性化能を抑制する。そして、v-MybはC端側を欠失しているためにこれらのコリプレッサーとのアフィニティーが低いため、強い転写活性化能を有することが示された。
さらにがん抑制遺伝子産物p53がDNA上のc-Mybに結合し、コリプレッサーmSin3Aをリクルートすることによって、転写を抑制することが明らかにされた(JBC,2004)。p53が多様な遺伝子の転写を抑制するメカニズムはこれまで不明であったが、この結果からP53がc-Mybなどの転写因子を介して転写を抑制することが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Wnt-1 signal induces phosphorylation and degradation of c-Myb protein via TAK1,HIPK2, and NLK.2004

    • 著者名/発表者名
      Kanei-Ishii, C. et al.
    • 雑誌名

      Genes & Development 18

      ページ: 816-829

  • [雑誌論文] Chromatin acetylation, memory, and LTP are Impaired in CBP(+/-) Mice ; A Model for the cognitive deficit in Rubinstein-Taybi syndrome and its amelioration.2004

    • 著者名/発表者名
      Alarcon, J.M. et al.
    • 雑誌名

      Neuron 42

      ページ: 947-959

  • [雑誌論文] The fusion oncoprotein PML-RARα induces endoplasmic reticulum-associated degradation of N-CoR and ER stress.2004

    • 著者名/発表者名
      Khan, M.M.et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 11814-11824

  • [雑誌論文] Oncogenic activation of c-Myb correlates with a loss of negative regulation by TIF1β and Ski.2004

    • 著者名/発表者名
      Nomura, T. et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 16715-16726

  • [雑誌論文] Differential sensitivity of v-Myb and c-Myb to Wnt-1-induced protein degradation.2004

    • 著者名/発表者名
      Kanei-Ishii, C. et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 44582-44589

  • [雑誌論文] p53 suppresses c-Myb-induced trans-activation and transformation by recruiting the corepressor mSin3A.2004

    • 著者名/発表者名
      Tanikawa, J. et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 55393-55400

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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