研究課題
1.体系的RNAi法のさらなるハイスループット化 体系的RNAiをさらに効率的に行うために、従来はマニュアルで行っていた二本鎖RNAの合成過程を自動化するための条件決定を行った。具体的には、ラボラトリーオートメーションシステム(Biomek)を用いて、96穴プレートフォーマットで非重複cDNAセットから高濃度の二本鎖RNAを合成する条件を決定した。2.体系的RNAi法による必須遺伝子の網羅的探索 約10,000遺伝子由来のcDNAを含む非重複cDNAセット(国立遺伝研・小原雄治教授より供与)を鋳型として、上述の手法により二本鎖RNAを合成し、線虫を高濃度RNA溶液に浸すことによって体系的なRNAiを行った。各cDNAに対するRNAiによる表現型を実体顕微鏡で観察し、表現型を記録した。表現型としては、胚性致死・幼生致死・不稔・形態異常・運動能力異常等に着目し、表現型データベースを並行して構築した。平成12月現在で、約4500クローンについての解析を完了した。3.胚性致死遺伝子群の分類 上記の体系的RNAiで胚性致死となったものについて最終表現型を微分干渉顕微鏡で観察し、発生停止時期(細胞増殖期、形態形成期、形態形成完了後、等)によって分類を行った。また、神経・筋肉・腸・咽頭等の細胞分化や組織形成についても記録した。これまでに、約120の胚性致死遺伝子についての解析を完了した。これらの表現型解析に基づき、形態形成過程に特異的に異常のあるものを選択して以後の解析を行う予定である。
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