研究課題/領域番号 |
14011220
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 和人 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10202011)
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研究分担者 |
位田 隆一 京都大学, 法学研究科, 教授 (40127543)
田中 祐理子 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (30346051)
武藤 香織 信州大学, 医学部, 講師 (50345766)
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キーワード | ゲノム / 遺伝子 / 科学コミュニケーション / 生命倫理 / 科学史 |
研究概要 |
1)ゲノム研究の歴史を調査するための文献調査および聞き取り調査を、主として日本の研究者および関係者に対して行った。日本のゲノム研究のうち、文部科学省(旧文部省および科学技術庁)による支援を受けた基礎研究分野に関しては、1990年から現在に至るまで4つの段階があることを明らかにした。また、それぞれの時期における生命倫理や一般市民とのコミュニケーション活動の詳細を分析した。4つの時期のうち、初期においては、外部の専門家に社会との接点に関する活動を任せる傾向があったが、2000年以降は、ゲノム研究者自身が自ら社会的課題に取り組むようになってきていることが明らかになった。 2)ゲノムとゲノム研究の基礎知識を専門外の人々に知らせるためのインターネットのサイト「ATGenomeCommunication」(略称「あっとゲノム」)に音声によるナレーションを加え、より利用しやすいものとした(平成17年前半に公開予定)。 2)一般市民とゲノム研究者の交流イベント「ゲノムひろば2004」を総合担当として実施し、来場者および展示に参加した研究者の意識に関する調査を、一昨年度、昨年度に引き続き行なった。来場者および出展した研究者に対する意識調査を行い、3年間の「ゲノムひろば」の意義について分析した。その結果、1)「ゲノムひろば」で用いた「実物付きポスター展示」は、研究者が街に出て自らの研究について解説を行うという社会に向けた新しい研究発表の形態であると評価できること、2)こうした催しは、研究者にとっても自らの研究の目的や意義について考える機会となると同時に、研究者どうしの優れた交流の場となるなど、研究活動そのものに対するポジティブな影響があること、などが明らかになった。
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