STD法によって、突然変異体の葉や花が細くなる立田(maple)遺伝子のクローニングを試みた。強い対立遺伝子である柳突然変異体で特異的なDNA断片が得られ、対応するゲノム領域とcDNAを単離解析している。またそれとは別に葉が抱え、花弁が裂け、強い対立遺伝子では花弁が筒状になる獅子(feathered)の体細胞突然変異体が得られ、これをもちいてSTD法で解析する準備を行っている。相同性を利用した遺伝子クローニングに関しては、分裂組織が巨大化する新規突然変異、吹詰(fukitsume)や頂生花、乱菊(polymorphic)、南天(acuminate)、笹(delicate)に関して、シロイヌナズナの相同な変異体の原因遺伝子の配列を利用して、本研究で作成しているアサガオのESTデータベースから、アサガオのオーソログを複数単離してきた。これらの転写量を突然変異体で解析したところ、頂生花、笹の変異体で野生型と比較して転写量が減少していた。そのため現在これらのオーソログのゲノム構造について解析している。またマルバアサガオの八重咲き突然変異がノースカロライナの自然集団から得られ、その花の構造からこの原因遺伝子はアサガオの牡丹変異体のオーソログであると考えられ、実際に転写量を調べたところ減少していた。ゲノム構造を解析した結果、トランスポゾンの挿入があったため現在詳細な遺伝子構造を解析している。
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