研究概要 |
1)昨年度に完成したゴリラのフォスミドクローンライブラリー構築とその利用についての論文をGenomicsに発表した(Kim et al.2003)。 2)ヒト,チンパンジー,ゴリラ,オランウータン4種の順系相同なタンパクコード遺伝子103個を解析し,ヒト特異的なアミノ酸置換を推定した。また,ヒトだけでアミノ酸置換が有意に高く生じている遺伝子をいくつか見いだした。この研究は現在Molecular Biology and Evolutionに印刷中である(Kitano et al.2004)。 3)HoxAクラスターの全配列決定を終了し,現在論文を作成中である。ヒトとチンパンジー・ゴリラでは,どの種でもAluやL1などの反復配列が少ないという共通性があるものの,塩基の置換パターンに一部違いが見いだされた。また,マウスからチンパンジーまで高度に保存されている領域でヒトのみ変化の生じている部分が見いだされた。 4)チンパンジー22番染色体の配列決定国際コンソーシアムに参加したが,論文を投稿し,現在査読中である。Rh式血液型遺伝子のゲノム領域配列決定を進めている。チンパンジーゲノムについては,BACライブラリーのマップからクローンを特定し,それらBACクローンの配列決定をほぼ終了した。ゴリラゲノムはゴリラのフォスミドクローンライブラリーをスクリーニングしてもつながらなかったため,米国で2003年に作成されたゴリラのBACライブラリーをスクリーニングしている。 5)ゴリラ、オランウータン、ニホンザルのBACライブラリ作成が昨年度に引き続き進行中である。 6)チンパンジーのY染色体についてBACベースの配列決定を進めている。
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