研究分担者 |
山内 敏正 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
戸辺 一之 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30251242)
原 一雄 東京大学, 医学部・附属病院, 特任教員(常勤形態) (50359600)
窪田 直人 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
日本人の罹患同胞対を利用した全ゲノムスキャンにより計9箇所の染色体領域(1p36-p32,2q34,3q26-q28,6p23,7p22-p21,9p,11p13-p12、15q13-q21と20q12-q13)に2型糖尿病感受性遺伝子座をマプした。先にアディポネクチン遺伝子が感受性遺伝子であることを明らかにした3q26-q28以外の領域について候補遺伝子内に存在するSNP(single nucleotide polymorphism)を最長でも10kbの間隔で検出し、患者対照相関解析を行って2型糖尿病感受性遺伝子としての意義を検討した。特に1番染色体の領域1p36-p32には、最近単離・同定したインスリン感受性ホルモン・アディポネクチンの受容体AdipoR1(Nature423:762-769,2003)、アディポネクチンの作用をmediateするAMPキナーゼαサブユニット遺伝子(PRKAA2)が位置しておりdense SNPについて糖尿病患者384名ならびに糖代謝正常者384名についてタイピングを行い感受性遺伝子としての意義について検討した。11p13-p12領域についてはpaied box gene 6(PAX6)、15q13-q21領域についてはCalpain3(CAPN3)、20q12-q13領域についてはhepatocyte nuclear factor 4α遺伝子(HNF4A)について相関解析を行ったが少なくとも日本人においては2型糖尿病の易罹患性に大きな影響を与えるSNPは検出されなかった。また、ヒトゲノム・遺伝子解析において収集される遺伝子型などの個人情報が外部に漏洩することを防止するため、独自開発したサンプルシールと2重匿名化を組み合わせた個人情報匿名化システムを構築し、実際の研究に使用している(J Hum Genet 48:323-330,2003)。
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