研究概要 |
パーキンソン病(PD)は多因子遺伝性疾患と考えられ、家族性PDではα-synucleinやparkin遺伝子が発見されたが、患者の大部分を占める孤発性PDでは疾患感受性遺伝子は証明されていない。本研究では、疾患感受性遺伝子を同定すると同時にSNPと各薬剤への反応性、副作用との関連を明らかにしオーダーメイド治療法を確立する、ことを目的とし今年度は以下の結果を得た。 1)約27,000個のマイクロサテライト多型を基盤としたゲノムワイド関連解析を行っている。pooled, DNA法によるゲノムワイドマイクロサテライト関連解析では平均100kb間隔に配置された約27,000マーカー全てに関して1次、2次、3次スクリーニングを行い、71個の候補マーカーを個別タイピング中であり、いよいよ全ゲノムから少数の領域に絞られてきた。これらと連鎖不平衡にある遺伝子が孤発性パーキンソン病の発症に関与している可能性がある。 2)多くの候補遺伝子上のSNPマーカーを用いたケースコントロール関連解析では、1次スクリーニングとして、患者・対照各190人で122個の候補遺伝子上の267個のSNPsを解析した結果、16個の遺伝子上の計22個のSNPsが1次スクリーニングで残り、患者・対照それぞれ約900人で2次スクリーニング中である。 3)これまでにDNAサンプルを約950収集した。また高齢発症のため同胞発症例の収集が困難であるが、専門医にアンケートして約270家系が存在する回答が得られた。うち約60家系を採血した。
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