1)マウスMHC class I分子、Dbについて、隠れマルコフアルゴリズムを基盤とする質問学習法を活用した、MHC結合性ペプチド解析法を開拓し、論文にまとめ発表した。 2)ヒトMHC分子であるHLA-A^*0201とA^*2402について、もっとも定量性のよいペプチド結合実験の方法を検討した。その結果、従来使われていた低温インキュベーションにより、空のMHC分子を蓄積する方法はヒト細胞では、あまり有効でないことがわかった。検討を重ねた結果、ClRtransfectant細胞を用いたacid-strip、reconstitution法を使うことにした。 現在、質問学習法と隠れマルコフモデルを活用して、ペプチド合成、結合実験とデータ解析を進めている。また、懸案であったモデルの改善も、サイクリックモデルから6本の独立した平行モデルに変えることができた。 3)ペプチドライブラリー法を用いたマウスMHCの特異性解析結果をもとに作成した、MHC結合ペプチドの自動予測プログラムをDDBJの協力をいただき、公開した。 下記発表論文にある隠れマルコフアルゴリズムを用いた自動予測については、NEC(日本電気株式会社)の協力が得られた。そこで、NEC研究部門のコンピューターを使ってマウスDb分子について自動予測のできるサイトを、今春、公開できるはこびとなった。 4)胎児胸腺細胞系で、MHCクラスII分子の脂質修飾性をキャンセルするような処理をすると、胸腺細胞のキラー、ヘルパーT細胞への分化決定を転換することができることがわかった。論文準備中である。アミノ酸置換体を使ったデータが出次第、投稿する予定である。
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