研究課題/領域番号 |
14017081
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
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研究分担者 |
濤川 一彦 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50312468)
瀬尾 寿美子(桐生 寿美子) 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70311529)
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キーワード | 移植・再生医療 / 解剖学 / 再生医学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 神経損傷 |
研究概要 |
成熟マウスの運動神経に損傷を与えると緩やかな神経細胞死が見られる。このような細胞死はラットでは見られない。このような表現系の違いの原因遺伝子の探索から、神経細胞型グルタミン酸トランスポーター(EAAC1またはEAAT3)が検出された。さらにEAAT3は細胞外のグルタミン酸取込み非依存的に、p53依存性の神経細胞死を防御できることを発見した。このことは、グルタミン酸トランスポーターには、従来のグルタミン酸取込みによる細胞死防御機構とは別の細胞死防御機構が存在することを示している。これは、定説と異なる新たなEAAT3の役割を示唆するものであり、このEAAT3を介した新たな神経細胞死防御のメカニズムについて解析を進めている。 In vitro解析:(i)PC12細胞でp53を強制発現させることで細胞死が見られるが、EAAT3を同時に発現させると細胞死が防御された。(ii)EAAT3の過剰発現はMn-SODの発現を誘導した。さらに細胞内のGSH合成を促進した。これは、GSHの合成酵素の発現促進によると考えられる。(iii)EAAT3アンチセンスを発現することで、caspase3活性を上昇させ、細胞死を促進させることができた。 In vivo解析:動物を用いた研究では、(i)p53ノックアウトマウスでは舌下神経損傷後の神経細胞死は防御できた。(ii)EAAT3トランスジェニックマウスを作成した。このマウスでも、神経損傷運動ニューロンの細胞死が防御できた。
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