研究概要 |
本研究は,WebデータやWeb利用者のデータ検索行動に内在する意味構造を発見し,これに基づいて,高度なWeb情報検索サービスを実現するための方式を開発することを目的としている.本研究で注目をしているWebの意味構造は,(1)WebデータやWeb利用者の探索行為に関わる「文脈情報」,(2)Webデータ間の「差異情報」,(3)Webデータに内在する「話題構造」,(4)Webデータの「ローカル度」(地域関連度やアクセスの地域限定度)などであり,これらの意味構造の発見・推定の方法を研究している.さらに,得られた意味構造情報を用いて,さまざまなコンテンツ検索サービスへの応用方式についても研究を行っている. 具体的な研究成果は以下の通りである.(1)Webからの画像検索において、画像の文脈情報(画像の周囲の情報やそのWebページを指すリンク元ページ情報など)を視覚化して表示することで検索支援を行う方式や,文脈情報から画像を検索する方式を提案した.さらに,利用者の選択・非選択ページを記録し,この情報をメタデータとして反映させた新しいブックマーキング方式を開発した.(2)クラスタリングされた検索画像群に対する利用者の選択画像・非選択画像の間の差異情報を増幅させた新しい適合フィードバック方式や,複数のWebデータの差異を同時に見ることができる新しいブラウザなどの開発を行った.(3)利用者が入力した質問キーワード群からそのキーワードが表題・本文のいずれに適合しているかを判定し自動的に質問変換を行うことで,話題構造によるWeb検索を行える検索方式を開発した.さらに,TV番組の字幕データから話題構造を推定しWebによる情報補完が行える新しいブラウザも開発した.(4)Webページ中に出現する地理用語の頻度・密度・緯度経度情報からWebページの地域関連度を求める方式と,他のWebページ群との比較に基づくアクセスの地域限定度の推定を行う方式を開発し,これに基づいてローカル度によるWeb情報フィルタリングを行うシステムを開発した.
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