1.赤血球内型マラリア原虫ミトコンドリアにおける特異的電子伝達系の解析 われわれは赤血球内型の熱帯熱マラリア原虫をN_2 cavitation法で破砕することによって、呼吸活性のあるミトコンドリアを単離する方法を確立した。そしてこの標品を用い赤血球内型原虫ミトコンドリアにおけるマラリア原虫特異的な呼吸鎖電子伝達系について生化学的解析を行なっている。マラリア原虫のオルガネラのひとつであるアピコプラストとミトコンドリアを明確に区別して観察する目的で、GFPのN末端にミトコンドリアに局在させるためのプレ配列を結合させ、ミトコンドリアをラベルした。GFPの細胞内の局在がミトトラッカーと一致するのを確認後、これまでの方法で調製したミトコンドリア画分をFACSにより、解析した。その結果、GFPでラベルされたミトコンドリアは約2μmのサイズの位置に分離された。また、この画分を回収しPCRで調べたところ、ミトコンドリアDNAのみならずアピコプラストDNAも含まれている事が判った。 2.寄生原虫ミトコンドリアのシアン耐性酸化酵素とその阻害剤アスコフラノン 寄生原虫の中には哺乳類ミトコンドリアに見られるシアン耐性酸化酵素(Alternative oxidase : AOX)を持つものがあるが、宿主はこの酵素を持たない事から極めて有望な標的であり、Trypanosoma brucei bruceiの培養系やマウスの系で劇的な効果を示すアスコフラノンを見い出している。各種誘導体を合成し、大腸菌で発現させた組み換え酵素を用いて構造活性相関を検討した。その結果、フラノン環を除いてもアスコフラノンとほぼ同様な阻害活性を示した。また、側鎖には至適な長さがある事が判った。さらに、ベンゼン環上の側鎖はそれぞれが重要な役割を果たしている事が明らかになった。
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