研究課題
特定領域研究
1.赤血球内型マラリア原虫ミトコンドリアにおける特異的電子伝達系の解析われわれは赤血球内型の熱帯熱マラリア原虫をN_2 cavitation法で破砕することによって、呼吸活性のあるミトコンドリアを単離する方法を確立した。そしてこの標品を用い赤血球内型原虫ミトコンドリアにおけるマラリア原虫特異的な呼吸鎖電子伝達系について生化学的解析を行なっている。マラリア原虫のオルガネラのひとつであるアピコプラストとミトコンドリアを明確に分離する系を探索している。本年度は以前試みて失敗に終わっているパーコールを用いた分離法を検討した。その結果、35%(V/V)パーコール、10,000g、1時間の遠心で再現性よくミトコンドリアが2つの画分に分離した。このうち密度の高い画分は高いジヒドロオロト酸-シトクロムC還元酵素活性を示し、純度が高い事が判った。2.寄生原虫ミトコンドリアのシアン耐性酸化酵素とその阻害剤アスコフラノン寄生原虫の中には哺乳類ミトコンドリアに見られるシアン耐性酸化酵素(Alternative oxidase : AOX)を持つものがあるが、宿主はこの酵素を持たない事から極めて有望な標的であり、Trypanosoma brucei bruceiの培養系やマウスの系で劇的な効果を示すアスコフラノンを見い出している。アスコフラノンの標的であるTAO自体の構造と機能との関係については、依然として限られた情報しか得られていない。そこで、活性に必須であると思われるアミノ酸の同定を部位特異的変異により行った。また、ランダム変異導入により得られた変異酵素のアスコフラノンに対する感受性の違いについて調べた。TAOのcDNAを鋳型とし、PCR法により部位特異的変異を加え解析を行った。その結果、E(X)_6Yという他のdi-ironタンパク質に共通して見られるモチーフが存在し、活性発現に重要な役割を果たしていることが明らかになった。またアスコフラノンに対する感受性に変化をもたらすアミノ酸残基も見い出された。
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