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2002 年度 実績報告書

抗トリパノソーマ薬開発の標的としてのGPIトランスアミダーゼの分子組成の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14021065
研究機関大阪大学

研究代表者

永宗 喜三郎  大阪大学, 微生物病研究所, 文部科学教官助手 (90314418)

キーワードトリパノソーマ / GPIアンカー / GPIトランスアミダーゼ
研究概要

申請者らはGPIをタンパク質に結合させる酵素であるGPIトランスアミダーゼのコンポーネントの一つであるGPI8のトリパノソーマオルソログ、TbGPI8と免疫沈降により共沈してくるタンパク質として、P70,P40,P35の3種のタンパク質を同定した。このうちP70はヒトや酵母でGPIトランスアミダーゼのコンポーネントであることが知られている、PIG-Tのオルソログであった。P40とP35については、プロサイクリック型トリパノソーマにおいてノックアウトを行った結果、これらのタンパク質はGPIトランスアミダーゼのコンポーネントであることが証明できた。
また、TbGPI8との共沈実験では同定できなかったが、ヒトや酵母でGPIトランスアミダーゼのコンポーネントとして知られているGAA1のトリパノソーマにおけるホモログをゲノムデータベースより見出した。この遺伝子(TbGAA1)もプロサイクリック型トリパノソーマにおいてノックアウトすることで実際にGPIトランスアミデーション反応に関与していることを明らかにし、更にTbGAA1とTbGPI8とが複合体を作っている、即ち、TbGAA1もトランスアミダーゼのコンポーネントであることを証明した。
本研究において同定したタンパク質のうちP40及びP35は、哺乳動物や酵母のトランスアミダーゼの既知のコンポーネントと相同性が認められず、またデータベース上にも、トリパノソーマ科の生物にオルソログが見いだせた以外にホモログや有意にホモロジーを有するタンパク質が認められないことから、これらのタンパク質はトリパノソーマ科の生物のトランスアミダーゼに特異的なタンパク質であると考えられた。従って、トリパノソーマのGPIトランスアミダーゼは哺乳動物や酵母のそれと全く異なっている可能性が示唆され、この酵素は抗トリパノソーマ薬開発の非常に有効な標的になると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Ohishi, K.Nagamune, Y.Maeda, T.Kinoshita: "Two subunits of GPI transamidase GPI8 and PIG-T form a functionally important intermolecular disulfide bridge"J. Biol. Chem.. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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