研究課題/領域番号 |
14021092
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
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研究分担者 |
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10215923)
谷村 晋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60325678)
津田 良夫 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20207393)
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キーワード | マラリア媒介蚊 / 景観生態学 / 地表写真画像解析 / 東南アジア / 選好環境 / 森林 |
研究概要 |
感染症媒介蚊の生息環境を、一定のプロトコールに従いデジタルカメラで撮影した地表写真画像の分析により疾病媒介蚊の選好する環境を景観生態学的に評価しようとした。北タイのモデルフィールドにおける試行では、Anopheles minimus sensu lato(東南アジアの重要マラリア媒介蚊)を対象種とし、山地から平野にかけての蚊の密度と、周辺景観の主たる構成要素を計量した。その結果、山地から平野への景観上の開放傾向、幼虫発生源である水域の物理・化学的属性の勾配、An. minimusの密度低下が並行的に認められた。媒介蚊の侵淫密度の高い環境と低い環境を、異なる景観構成要素による異なる景観パターンとして定量的に表現可能であることも判った。また、インドネシア、ロンボク島のマラリア流行地では、An. balabacensisと同定された山地性のハマダラカの関与が、我々によりこの島としては初めて明らかにされたが、この媒介蚊の空間分布と、写真法により評価された森林の鬱閉度との間に明らかな相関が認められた。今回の地上写真による景観解析法は、未だ精度の点で多くの問題を残してはいるが、実用精度としては認め得る環境の数値的(客観的)評価が、総体としての環境のまま可能で、データ採取が平易かつ安価なため適用性が高く、常に実地調査に立っているので分析過程と結果提示を通じてリアリティーが高い(我々はこの点を最も評価している)など利点も多く、尚しばらく追求する価値のある環境評価法だと考えている。
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