研究概要 |
<目的>黄色ブドウ球菌等から産生される外毒素は、スーパー抗原(SAg)としてMHCの拘束性無しにTCRVβ鎖に結合して、特定Vβ鎖を発現する多クローンT細胞を刺激する。その結果、免疫応答の異常-大量サイトカイン産生とそれに続く免疫反応の不応答性-をもたらす。本研究では、SAgに刺激されたTh細胞の免疫記憶誘導の有無とその機序を明らかにすることを目的とする。 <結果>上記目的遂行のために、SAgと通常抗原が同一或いは同数のT細胞をin vivoで刺激・活性化する系として、OVAペプチド特定的であると同時にSAg、TSST-1反応性のVβ15保持TCR-Tgを用いた。一方では、TSST-1がSAgとして結合するTCRVβレパートリーを欠如したマウス(LD)を作製して(BBRC298:420,2002)、TSST-1がSAgとして反応できない対照モデルとした。TSST-1を免疫したTCR-Tgマウスでは、OVA免疫に比較して記憶T細胞の絶対数が著減した。この細胞増殖抑制は、免疫後短時間内でのT細胞の不応答性に由来することが、IL-2産生能が数時間後より減少することから示唆された。一方、アジュヴァントと共に同一TCR-Tgを免疫すると、OVA免疫と同程度に抗原特異的IgG1が検出され、Vβを介してTSST-1と反応したT細胞は部は不応答性誘導を回避して記憶細胞に分化する可能性が示唆された。来年度は記憶細胞の存在と寿命を移植実験により確認し、その機能の詳細な解析検討を進めたい。
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