研究課題
本特定領域研究は、わが国の児童生徒の「科学技術離れ」「理科離れ」を克服すべく、平成14年度から5年間の期間ではじまった。2年目にあたる15年度については、5つの研究項目について、関連する諸分野の研究者から、本領域が掲げる"新世紀型"にふさわしい先端的・独創的な研究に加え、教育現場に役立つ意欲的・実践的な研究を採択し、研究を推進してきた。研究をすすめるにあたっては、「社会的貢献」をキーワードとし、また、その場限りのものではない将来に向けた確かな蓄積となる研究成果、さらに、教育現場に受け入れられる研究成果をめざすことを領域全体の基本方針とすることをうちだしている。総括班は、昨年にひきつづき、研究項目間の連絡調整、ホームページの作成・管理及び公募研究で得られた成果の評価などを行い、領域の円滑な運営と研究実績の確実な蓄積のための体制づくりを進めた。とくに、本年度は、領域全体の研究方針の策定にあたって、5つの研究項目をつらぬき、縦糸ともなる、「新世紀型とはなにか」という問いを共通課題とする一方、また、最近、著しい進歩をみせている「脳科学と教育」プロジェクトとの接点をさぐる試みにもとりくんでいる。まず、年度はじめには、お茶の水女子大学にて「全体研究打合会」(平成15年6月14・15日)、を開催し、全研究者に対して研究方針の徹底を図り、研究項目グループごとの共通課題の確認、共同研究のすすめかたなどについて討議した。さらに、日本科学未来館にて「平成15年度全体中間報告会」(平成16年2月13・14日)を開催して、本年度の研究総括及び評価を行い、あわせて、上記「脳科学と教育」にかかわる基調講演、また、「新世紀型とはなにか」をテーマとした全体シンポジウムを開催し、次年度以降の研究推進の方向性を確認した。