研究概要 |
一般に使われているセラミックス焼結磁石を製作することは、小学校・中学校・高等学校では、焼結、加圧装置がないため焼結磁石製作が困難とされてきた。そのため、児童生徒は、磁石は既製品を購入して用いるものだと考え、自分自身では製作できないものと思ってきた。研究代表者は、このような概念を覆し、児童生徒が自分自身の手で、自分の好きな形のセラミックス焼結磁石を作成する方法を考案した。平成14年度の研究は、「児童生徒自身でつくるセラミックス磁石の製作」と「児童生徒自身で作るセラミックス磁石を利用したものづくり学習」の2本柱から構成されている。 [1]「児童生徒自身でつくるセラミックス磁石の製作」 「地球を作ろう」というテーマで、平成14年9月静岡市立田町小学校6年2組の児童35名を対象に、担任の岩科はるみ教諭の指導で授業実践を行った。この授業の目的は小学生に地球が大きな一つの磁石である事、そのため、方位磁針を使って私たちが生活できる事を学習させることである。 [2]「児童生徒自身で作るセラミックス磁石を利用したものづくり学習」 (1)「磁気ライントレーサの教材化」 児童生徒に「ものづくり」や「科学」に関する興味や関心を抱かせる動機付けとなり,また,ものづくりの知識や技術の習得を与えることを目的として,生徒自ら創意・工夫して作る磁気ライントレーサの開発を行なった。 (2)「自作磁石を用いたモータの製作」 小学校学習指導要領6年生の理科で、電磁石の変化や働きをその要因と関係付けながら調べ、ものづくりをしたりする活動で養うとあり、中学枝学習指導要領「第1分野」では、電流の利用で磁界と磁力線の関係を学習させている。また、技術家庭科技術分野では、エネルギーの変換を利用したものづくりを規定している。このモータが学習で、自作磁石を用いたモータを作成出来れば、新たなモータ学習の展開が期待出来る。
|