研究課題/領域番号 |
14023101
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
佐藤 賢一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90323873)
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研究分担者 |
白杉 悦雄 東北芸術工科大学, 教養部, 助教授 (30296032)
岩下 哲典 明海大学, 経済学部, 助教授 (30296230)
平野 葉一 東海大学, 文学部, 教授 (20189856)
若松 正志 京都産業大学, 文化学部, 助教授 (20230922)
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キーワード | 和算 / 数学史 / 日本文化史 / 史料論 / 江戸時代の数学 |
研究概要 |
[総論]現在、近世日本数学史(和算史)の「通説」といわれるものは、明治以来各地で蒐集されてきた膨大な数の和算史料に基づいて組み立てられている。本研究では、それらの史料の総合的な所在調査と目録作成を平成14年度来、実施してきた。現在、日本学士院所蔵史料の目録作成を終了し(平成14年度)、次いで、東京大学、東北大学所蔵史料の目録作成に着手しつつある(平成15年度)。 [個別調査成果]他にも、全国各地の和算史料を調査した結果、幾つかの新出史料も見出された。以下、その幾つかを列挙する。 ・三重県松阪市の個人宅より、和算家・奥村喜三郎関連文書が見出された。幕末の江戸の和算家、奥村の数学的知識が松阪にも伝播していたことが確認された。(平成14年度/平成15年度に研究代表者・佐藤が口頭発表を行った) ・武雄市立博物館所蔵「北條流軍学」関連文書:近世前半期の軍学者、北條氏長の自筆本が武雄市博物館で再発見された。軍学に関連した測量術・算術に関する史料である。(平成15年度/論文準備中) ・東京大学総合図書館所蔵「渋川氏記録」:幕府天文方の記録であったことが判明した。和算家の山路家についての言及が多数確認される。(論文準備中) ・国立科学博物館蔵「船山氏文書」:仙台藩士の和算家、船山氏に関する一括文書。関流に関する書類、幕府天文方の実態などを知らせる文書群が発見された。(平成15年度、総括班との共同調査/研究代表者・佐藤が口頭発表を行った) ・佐賀県立図書館所蔵旧鍋島家文書内の暦学関連書:佐賀藩において、独自に天文学が研究されていたことを示す史料が確認された。和算の知識が用いられていたことも確認された。(平成15年度、総括班との合同調査による/論文準備中)
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