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2002 年度 実績報告書

堆朱カメラの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 14023108
研究機関日本大学

研究代表者

高橋 則英  日本大学, 芸術学部・写真学科, 教授 (10188039)

研究分担者 石川 寛夫  九州産業大学, 芸術学部・写真学科, 教授 (40104864)
白井 靖男  東京工芸大学, 工学部・光情報メディア工学科, 教授 (50064275)
キーワード写真 / カメラ / 光学機器 / 湿板写真
研究概要

研究対象である3台の堆朱カメラ(福井市立郷土歴史博物館所蔵、東京都杉並区・石黒敬章氏所蔵、大阪府寝屋川市・東野進氏所蔵)のうち、石黒氏所蔵カメラについては本研究の開始前に東野氏の工房によりすでに修復の作業が進行していた。このため7月末、3台のカメラを大阪歴史博物館に集め、研究者、研究分担者に7名の研究協力者を加え研究の打ち合わせならびに3台のカメラの比較調査を実施した。なおこの調査には、本特定領域研究のA4-20グループ(代表:京都大学・冨井洋一教授)も参加し合同調査の形で行なった。この調査では過去の研究の総括とカメラの目視による比較、採寸、写真撮影等を行なったが、京都大学グループはカメラに付属するレンズの光学測定を実施した。カメラは福井歴博所蔵のものと石黒氏所蔵のものが酷似し、東野氏所蔵カメラはやや小型であるが、石黒氏所蔵カメラと東野氏所蔵カメラのレンズ(どちらも単玉)は外径等が異なるにも関わらず焦点距離が同じであるという興味深い結果を得ている。
11月末には、3台のカメラを東京文化財研究所に搬入し、研究者、分担者、研究協力者が立ち会って、カメラ本体およびレンズの構造の解析のためイメージングプレートX線撮影装置による撮影、またレンズの金属部分の組成分析のため蛍光X線分析装置による測定を依頼した。この蛍光X線分析によれば、石黒カメラと東野カメラのレンズ鏡筒は真鍮製、福井のそれは純銅との結果である。この調査の翌日、カメラを両国の江戸東京博物館に搬入し、当研究グループに再び京都大学グループが参加して合同調査を実施した。この調査の目的は、3台の堆朱カメラと、同時期の他のカメラとの比較検討であった。江戸東京博物館に所蔵される日本製としては最古のダゲレオタイプカメラと称される木製カメラとの比較を行い、さらに堆朱カメラが、それを模して製作されたとされるアメリカンタイプダゲレオタイプカメラとの比較検討を行なった。このアメリカンタイプは日本カメラ博物館に所蔵されるもので、江戸東京博物館への搬入を依頼しての調査であった。京都大学グループは同カメラのほか7月の時点では分解できなかった福井歴博所蔵カメラのレンズの光学測定も行なっている。
この他、堆朱カメラによる撮影実験のため、それが使用された当時の写真技法であるコロジオン湿板法を再現するための薬品やガラス板の準備、撮影および処理の実験等も開始した。また、3月18日には、11月に行なった科学分析の結果の検討および今後の調査研究の打ち合わせをかねた研究会を実施した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 高橋則英, 白井靖男, 石川寛夫ほか: "堆朱カメラの比較研究"「江戸のモノづくり」シンポジウム 平成15年7月6日. (予定). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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