研究課題/領域番号 |
14023113
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
前島 正裕 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部・理工学第2研究室, 主任研究官 (50209368)
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研究分担者 |
東 徹 弘前大学, 教育学部, 教授 (30132939)
犬伏 雅一 大阪芸術大学, 芸術学部, 助教授 (70340594)
棚橋 淳二 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (20082498)
増淵 宗一 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70060663)
山田 和人 同志社大学, 文学部, 教授 (60191300)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 江戸のものづくり / 美術史 / 保存科学 / 江戸時代 / 日本史 / モノづくり / 工芸 |
研究概要 |
本研究は幕末から明治に及ぶ科学技術黎明期資料の体系化に向けた基礎データを提供するため、トヨタ自動車(株)より国立科学博物館が預託された「トヨタコレクション」と江戸東京博物館所蔵の「赤木コレクション」の調査及び評価を行い、合わせて同種分野の国内資料にも光を当てることを目的とした。 トヨタコレクションの基礎調査は、本研究班と東京文化財研究所によって行われ、すべて(台帳登録数は526点であるが、付属品等も加えた事実上の資料点数は約2,000点以上)の資料について、写真撮影し、資料データのデータベース化を行い、「トヨタコレクション資料の評価及び再分類」中間報告として取りまとめた。さらにデータを研究者ネット上に公開し、毎年数度にわたる合同調査会や、国内外の同種資料の調査を総括班と共に行い、東京文化財研究所による蛍光X線調査結果なども得て、各資料について個別の評価を得た。これらの成果は平成17年3月〜9月にトヨタ自動車(株)が開催した「トヨタコレクション展」、同図録、全容本及び、同展に関連して開催されたトヨタコレクション・フォーラムで紹介した。同コレクションは評価を得たことにより、その後も常設展などに活用されている。 江戸東京博物館が所蔵する赤木コレクションについては、同館都市歴史研究室に協力を仰ぎ、資料計測、デジタル写真撮影、ポジフィルム撮影を行ない、トヨタコレクションの仮分類に従って分類し、全3,361点の資料台帳を整備した。これらの成果を「赤木コレクション調査報告」として発行し、データをデジタル化して「江戸のモノづくり」研究者に公開した。さらにこれら基礎データを元に、同コレクションに含まれる写真・写真機、映写機、天文、本草、医療分野の資料について、合同調査研究会を開催した。これらの成果は、江戸東京博物館の特別展および常設展に活用された他、電気治療器などの個別分野で論文発表を行った。両コレクションやトヨタコレクション展は新聞等でも大いに注目され、国立科学博物館で開催された「江戸大博覧会」など、日本各地で同様の特別展を励起した。本研究が対象とした資料点数は4,000点を超えており、細かい部品等も含めるとその10倍以上の点数を取り扱ったため、基礎調査に予想以上の人件費、撮影費、莫大な時間がかかった。従って周辺資料や国内に存在する同種の資料群に対する調査は、電気治療機などの特定分野に限られた。
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