研究課題
特定領域研究
(1)和時計の技術的特徴についての研究このテーマについては、平成16年度に遂行された田中久重の万年時計の分解調査と複製製作の作業のうち、特に分解調査の作業に関して、作業に係わった土屋榮夫、大石昌明、結束美之助ら各氏にインタビューすることによって、その作業で認識された万年時計の技術的特徴について聞き取り、それを元にして報告書の執筆を進めた。明らかになったポイントのうちのいくつかを取り上げると、以下のとおりである。・歯車の多くは、ロー付けによって固定されたり、四角形の軸が使われたりしている。・歯車の中には、直交の噛み合いの歯車、数本のピンを立てたピン歯車、歯数の少ない歯車などがある。・ネジは一個一個手作りで作られており、互換性がない。・6角柱の本体も完全に対称的になっておらず、組立のためのマークがつけられている。・天球儀の機構において、月球を回転させる歯車の歯数に誤りが存在する。報告書では、これらの特徴について、万年時計の構造の説明をまじえながら解説した。佐々木勝浩氏が中心になり、万年時計や竹川家所蔵の時計など、不定時法を表示する自動機構について比較検討された。また、全国における和時計の所在状況について調査し、回答結果をまとめた。(2)時計の社会的意義に関する研究以下のトピックに関する報告が提出された。・セイコー時計資料館に所蔵される時計錦絵に関する解読・明治・大正期の時計と江戸時代の技術的蓄積・航空機の登場と時間意識の変遷・婦人雑誌に見る高度成長期における時間意識の変遷・農村の時間と空間
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UTCP Bulletin 6
ページ: 47-55
天文月報 98
ページ: 373-379
Bulletin of the National Science Museum, ser. E 28
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