研究概要 |
本年度(〜平成17年3月31日)の研究実施計画 1.「萬年自鳴鐘」の分解調査と復元機の製作 現在国立科学博物館に寄託されている田中近江大掾久重作の「萬年自鳴鐘」の分解調査と復原・再生プロジェクトに協力した。担当箇所は金工、彫金、木工、木彫刻、螺鈿、蒔絵、七宝、硝子および時計機構材料等の完全復原である。それは嘉永五年(1851)当時、京都の工芸美術の粋を集成させた美術工芸品であったからである。そのために分解調査では、EPMA,360kVX線透過写真撮影装置、蛍光X線元素分析、赤外線分光分析、三次元精密形状測定器等の最新の科学的機器を駆使し、その結果から推定される製作手法を京都伝統工芸家に復原・再生させた。結果は報告書に詳しいが、愛知万国博覧会(H17,3/23-9/22)に展示され、マスコミ、観客等に多大の感動を与えた。さらに国立科学博物館において製作工程を含む展示会(H17,9/10-9/13)を催し、広く本研究の成果を公開した。 2.「第七回国際シンポジウムin長野」の開催と上田市博特別展示 本シンポジウム(H17,10/21/23)は、本特定領域研究の最終大総括を兼ねて総括班と協力、20弱の地域博物館との連携、全国からの小・中・高校連携における成功的結果を示した。我々京都大学「光学機器班」上田市立博物館において技術と科学の融合を歴史的に示した。本シンポジウムは十数個のサテライトシンポジウムを含み、学術会議会長、経団連副会長等の講演参加があり、国家的に高く評価された。 3.調査研究報告と海外研究者との交流 3-1「日本銅鏡の材料・技術に関する諸問題」第六回小研究会(H17.8.26)報告者:久保智康(京都国立博物館)、冨井洋一、冨田良雄(京都大学)、山本富士夫(山本合金社長) 3-2冨田良雄編「江戸時代の科学技術と信州・上田展示サテライトシンポジウム-入館者アンケートにみる市民の評価-」
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