研究課題/領域番号 |
14023225
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
小倉 繁太郎 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (70214096)
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研究分担者 |
谷 貞夫 芸術工学研究所, 研究員 (60341020)
村上 直之 神戸女学院大学, 文学部・総合文化学科, 教授 (20111908)
林 久美雄 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (70228568)
大田 尚作 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (90213727)
谷内 眞之助 芸術工学研究所, 研究員 (70341021)
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キーワード | 見立て発想法 / 創造の仕組み / 知の循環作用 / モノづくり / 発想技法論 / 影響関係 / マルチメディア / 教育プログラム |
研究概要 |
本研究は、わが国の先人たちが芸術、技術などあらゆる分野の「モノづくり」に創造性を発揮し、現代に伝承してきた創造の秘密を解き明かすことで日本特有の発想の仕組みと思考方法を、整理・体系化することが目的である。 平成14年度は、日本の伝統的発想法の一つである「見立て発想」を軸として発想技法論の観点から、主に事例の調査、収集・分析を行うと共に研究者間の情報共有化を図るため、基礎データーのデジタル化作業を行った。 1、江戸期から現代に至る「モノづくり」発想事例を収集・分析、基礎データーとして以下の内容を作成した。 (1)「見立て発想」の技法別(借用、縮小化、拡大化、伸縮法、類比、付合、配合)、分野別に対応した数十点の事例の収集・分析、デジタルデータファイル(FileMaker)作成進行中。 (2)、現代の産業活動(CM/広告デザイン、商品デザインなど)における創造活動の事例約3,000点を調査、収集、内から約1,000点を基礎データーとしてデジタル画像ファイルに整理。 (3)、伝統技術(和紙、漆、刀剣など)を近代の先端技術に応用した「知の循環作用」の事例を調査・収集。 (4)、ビデオメディアからの「見立て発想」事例の収集、及び関連した動画による資料約60時間分の分析・整理。 2、教育プログラム作成の視点から、マルチメディア・データーベース基本構造の検討を行なった。 多分野にわたる「見立て発想」事例の収集・分析を進める中から、創造活動とは「見立て」を媒介にして時代や分野を越えて響き合い、新しいモノを連鎖的に生み出す「知の循環」装置であり、ラティス構造的にそれぞれが絡み合っている状況であることが垣間見えてきた。生産性のあるデータベース構築には、時間・空間を超越した「影響関係」を浮き彫りにし、専門分野間を横糸で紡ぐクロスオーバーな構造をもたせることが重要と考えている。
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