文献資料の組織化を支援するコミュニティ形成のための情報通信網構成法の研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14023232
• 研究機関: 国立情報学研究所
• 研究代表者: 浅野 正一郎 国立情報学研究所, 情報基礎研究系, 教授 (50092119)
• 研究分担者: 計 宇生 国立情報学研究所, ソフトウェア研究系, 助教授 (80225333) ; 阿部 俊二 国立情報学研究所, 実証研究センター, 助教授 (00280561) ; 松方 純 国立情報学研究所, 情報基礎研究系, 助教授 (70173820) ; 藤野 貴之 国立情報学研究所, 情報基礎研究系, 助手 (60300703) ; 趙 偉平 国立情報学研究所, 情報メディア研究系, 助教授 (80260016)
• キーワード: VPN / VPN管理 / 通信コミュニティ / ネットワーク・ストレージ / 研究支援ネットワーク

研究概要

博物館等に保存されている多くの「器物資料」とともに「文献資料」を対等に扱うことは、近代・現代の日本科学技術思想の体系化を検証するために極めて意義の大きなことと考える。このために、全国の科学博物館、大学並びに関連研究機関を組織化することが課題であり、これを支援する情報通信の活用方策を確立することを目的としている。
本研究班は、文部科学省の資金による学術情報ネットワーク(SINET並びにスーパーSINET)を運用する国立情報学研究所に所属する研究者で構成しており、情報通信技術を活用し、研究者間のグループ形成と活動の支援のための方策を検討するには格好の態勢を備えている。特に、リアルタイム性が高い研究活動を、マルチメディア情報を活用しつつ実施する閉域コミュニティのための通信網運用(VPN)を、目的や行動様式が異なる研究者が利用するSINETの内部で実現するためには、先端的な運用技術を導入することを必要としており、本研究班はこの実現に取組んでいる。
今年度は、コミュニティ形成を支援する管理システムの開発を実施し、汎用ワークステーションを用いて実現した。同時に、コミュニティが情報蓄積や通信情報の一時蓄積に用いるサーバ(ネットワーク・ストレージ)を同じく汎用ミニ・サーバにより実現している。このような研究活動を支援する情報通信網を開発するプロジェクトが米国に存在しており、Internet2と称しているが、この年次会合に参加し、北米、欧州等の地域でコミュニティ形成の技術方策につき意見交換し、今後の研究指針の適正化にも努めた。
次年度は、今年度の開発成果の実証評価を予定している。

研究成果

• [文献書誌] S.Asano: "Super SINET"Global Research Networking Summit(The European Commission). Proc. of Global Networking Summit. Session2.6 (2002)
• [文献書誌] 浅野正一郎, 末松安晴: "超高速学術情報ネットワークSuperSINET"第84回微小光学研究会. 第84回講演資料(基調講演). (2002)
• [文献書誌] S.Asano, M.Tatipamula, H.kodama: "Deployment of 10Gb/s IP/Optical backbone in SuperSINET : Technologies, Design, and Deployment Scenarios"Proceedings of APRICOT 2003, Fed. 2003, Taipei. APRICOT 2003. 27.7 (2003)
• [文献書誌] 阿部俊二, 松方純, 浅野正一郎, 他: "学術情報ネットワークへのIPv6導入と今後の展開"電子情報通信学会技術研究報告. NS2001-2523. 217-222 (2002)
• [文献書誌] 阿部 俊二, 趙 偉平, 松方 純, 浅野正一郎, 他: "適正時間スケールを利用した長期依存トラヒックの近似解析"電子情報通信学会技術研究報告. IN2002-185. 13-18 (2003)
• [文献書誌] 磯部 隆史, 浅野正一郎: "残存通信容量の測定に基づくDomain間QoSルーティングに関する研究"電子情報通信学会技術研究報告. IN2002-212. 59-64 (2003)
• [文献書誌] S.Urushidani他: "A large scale IP and lambda integrated router architecture"IEICE Transactions on Communications. Vol.E86-B, No.8(掲載予定). (2003)