研究課題/領域番号 |
14023234
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
近藤 雅樹 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (40225628)
|
研究分担者 |
宇野 文男 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (80324135)
宮坂 正英 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (00269101)
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (70178648)
|
キーワード | コレクション / 民俗学博物館 / 科学技術博物館 / 輸出用工芸品 / データベース |
研究概要 |
イギリス・ドイツ・ギリシャ・イタリア・ロシア・アメリカ各国において、民族学・科学技術系博物館等が所蔵する日本資料コレクションの調査を実施した。クンスト・カメラ(人類学博物館・サンクトペテルブルグ)では18世紀に日本の工人に発注された総ガラス絵の望遠鏡多数を確認する等多くの成果を得た。江戸時代における輸出用工芸品の種類と技術力の高さを端的に示すこれらのガラス絵は、日本国内には残存例がないであろう。同館では、作風不明の画家とされている森雄仙の作品(掛軸・洛外月次風景)数点を発見したことも特筆される。ヴァチカン美術館・アジア博物館(コルフ島・ギリシャ)が各々所蔵する日本コレクション調査でも、前者では明治期の等身大生人形や初期キリシタン関係資料を、また後者では長崎唐蘭館絵巻等の風俗画類を確認したが、いずれも未紹介の資料である。ペリー艦隊資料の調査を主眼としたアメリカでは、米国議会図書館より日米交渉資料リストを入手し、ノイズコレクション中の浮世絵・絵本類の収蔵状況も確認した。スミソニアン自然史博物館ではホーチンス氏のArtifacts of diplomacyを入手。メトロポリタン美術館等でも鍋島焼・平戸焼コレクションを調査した。ピーボディー・エセックス博物館のモースコレクション中に見出した都市在住木地師が使用していた製作用具(明治初期)は東京教育博物館から寄贈されたものと思われるが、日本国内にほとんど類例がなく貴重である。 この調査と連携して、海外研究協力者が中心になり組織した在欧博物館のメンバーによる国際シンポジウム(開催地プラハ)に、複数の班員が招待され出席した。そして、近藤が博物館資料の電子情報媒体の共有化に関して国立民族学博物館のデータベースの現状と将来展望の概要を報告した。あわせてシンポジウムに参加した在欧諸博物館の研究者との間で、最新の日本コレクションの所在状況につき情報の収集につとめた。
|