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2003 年度 実績報告書

トヨタコレクションの材料・技法の分析と保存に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14023242
研究機関独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所

研究代表者

三浦 定俊  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 協力調整官 (50099925)

研究分担者 佐野 千絵  独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・保存科学部・生物科学研究室, 室長 (40215885)
木川 りか  独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・保存科学部, 主任研究官 (40261119)
早川 泰弘  独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・保存科学部, 主任研究官 (20290869)
宮越 哲雄  明治大学, 理工学部, 教授 (00062018)
キーワード近世科学技術資料 / X線透過撮影 / 蛍光X線分析 / X線デジタル画像 / エミシオグラフィ
研究概要

トヨタコレクションを中心とした器物資料について,X線透過撮影、蛍光X線分析などの非破壊手法による構造調査と化学分析を行い、資料に用いられている金属や顔料などの材質や技法を検討することを目的として研究を行った。
平成15年度は、昨年購入したデジタルX線画像装置用に液晶モニターを追加購入し、新規に購入したデジタルマイクロスコープと両者を用いて、江戸から明治期の資料の非破壊による構造調査研究を行った。また超高感度瞬間マルチ測光システムを購入し、X線分析法を用いることができない有機資料の分析手法についても基礎的な検討を行った。本年度に構造調査を行ったX線画像数は約500画像で、その中には鍋島報效会所蔵の佐賀藩製造蒸気船雛形や国友一貫斎の風銃、デルフト(オランダ)の王立陸軍武器博物館蔵の空気銃、浦添市美術館の琉球漆器、MOA美術館所蔵の国宝紅白梅図屏風などが含まれている。
「蒸気船雛形」についてはその撮影結果を国立科学博物館における「江戸モノ」の展覧会に生かすことができた。また国友一貫斎の風銃、デルフトの空気銃については蛍光X線分析による調査結果とあわせ、AO4班内の他研究班の基礎資料とし、その他の資料の撮影結果と共に市立長浜城歴史博物館における展覧会「江戸時代の科学技術」に用いることができた。また、他の研究班と協力してトヨタコレクションに関連する多くの近世科学技術資料の構造・材質調査を行った。
この他、従来のX線フィルムに対する読み取りのノウハウを生かすために、フィルムによる画像と今回導入したデジタルX線画像撮影法(FCR)による画像の特性を比較検討した。実験の結果、適正電圧が不明な場合でも、やや高めのX線電圧で短い照射時間で撮影すれば、広い厚みと密度にわたって従来のフィルムと同等の濃度が得られることがわかった。この成果は「保存科学」に論文として掲載される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松島朝秀, 三浦定俊: "FCRを利用した各種木材試料の比較研究"日本文化財科学会第20回大会研究発表要旨集. 160-161 (2003)

  • [文献書誌] 松島朝秀, 三浦定俊: "IPを利用した透過X線撮影の画像処理パラメーターの検討"文化財保存修復学会第25回大会研究発表要旨集. 240-250 (2003)

  • [文献書誌] 三浦定俊: "トヨタコレクションの材料・技法の分析と保存に関する研究"第二回江戸のモノづくり研究集会・国際シンポジウム要旨集. 42 (2003)

  • [文献書誌] 松島朝秀, 三浦定俊: "透過X線撮影におけるFCRとフィルムの濃度特性の比較"保存科学. 43号. 17-23 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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