研究課題/領域番号 |
14023242
|
研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
三浦 定俊 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 協力調整官 (50099925)
|
研究分担者 |
早川 泰弘 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・化学研究室, 室長 (20290869)
木川 りか 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (40261119)
佐野 千絵 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・生物科学研究室, 室長 (40215885)
|
キーワード | 近世科学技術資料 / X線透過撮影 / 蛍光X線分析 / X線デジタル画像 / エミシオグラフィ / 絵具 |
研究概要 |
トヨタコレクションを中心とした器物資料について,X線透視撮影、蛍光X線分析などの非破壊手法による構造調査と化学分析を行い、用いられている金属や顔料などの材質や技法を検討することを目的として、研究を行った。 平成17年度は武雄市図書館・歴史資料館の所蔵する200点以上の「皆春齋御絵具」について、昨年度に採取した189点の試料を分析した。この「皆春齋御絵具」は江戸末に武雄藩の藩主であった鍋島茂義(1800〜1862、雅号皆春齋)が絵筆や絵の具皿などの画材とともに収集したもので、当時の絵画材料を知る上で大変貴重な資料である。189点の全試料について、蛍光X線分析とX線回折分析による成分分析、デジタル顕微鏡による粒子観察及び分光光度計による測定を行った。試料の色味を白色系、赤色系、黄色系、緑色系、青色系、金銀系、黒色系に分けると、青色系、緑色系の試料の数が最も多く、青色系の絵具の中には伝統的な岩群青の他に、江戸時代中期以降になって輸入されるようになったと思われるウルトラマリンやプルシャンブルーが含まれていた。詳細については総括班が出版する報告書の中に発表する予定である。またX線透過撮影に利用しているイメージングプレートの特性を、従来のX線フィルムの特性と比較検討し、その研究成果を「保存科学」の論文として掲載した。 この他、研究の最終年度として「江戸モノ」総括班とともに、産業技術記念館で平成17年3月12日から9月25日まで開催された「トヨタコレクション」展や、10月22、23日に長野市で開催された第7回国際シンポジウムに協力し、昨年度に引き続いて、(財)海洋博覧会記念公園管理財団首里城公園管理センターの所蔵する琉球漆器(萬野コレクション)の調査も行った。
|