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2002 年度 実績報告書

ヒトパピローマウイルスによる発がん機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14026065
研究機関国立がんセンター(研究所)

研究代表者

清野 透  国立がんセンター, ウイルス部, 部長 (10186356)

研究分担者 山下 依子  名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90303643)
キーワードヒトパピローマウイルス / トランスフォーメーション / 不死化 / 子宮頸がん
研究概要

HPV陽性の子宮頸がん細胞株にレトロウイルスベクターを用い、ウイルス転写制御因子E2を高率に導入しE6とE7の発現をほぼ完全に抑えることができる系を確立した。E2導入により上記HPV陽性の子宮頸がん細胞株は増殖を完全に停止するのに対し、HPV陰性の子宮頸がん細胞株C33Aでは増殖に全く影響を与えない。このとき、HPV陽性の子宮頸がん細胞株ではp53の蓄積、p21WAF1の誘導、低リン酸化型RBの増加が見られ、細胞周期はG1で停止した。次にHPV18のE6とE7を発現しているHeLa細胞にあらかじめHPV16のE6とE7を単独あるいは組み合わせてレトロウイルスベクターを用い導入しておくことでHeLa細胞の増殖のE6とE7に対する依存性を区別して解析することができた。その結果、E2導入による細胞増殖停止は主にE7の発現消失に伴う低リン酸化型RBの増加によるものでRBのリン酸化阻害は既に高発現しているp16^<INK4a>によるものであることが示唆された。現在HeLa細胞の造腫瘍原性におけるE6の役割を解析中である。これまでにE6を発現しないHeLa細胞をヌードマウスへ移植すると造腫瘍能が消失するとの結果を得ている。一方、子宮頸部正常上皮細胞ががん化に至る過程を解析するため、同細胞をE6E7の導入により不死化することに成功している。さらに、不死化からがん化に至る過程でのE6とE7の機能を解析するためには、E6E7を導入せずに不死化した細胞にE6、E7を導入してそれによる変化を調べることが必要である。これまでにhTERTとbmilを導入することで同細胞を不死化することに成功している。現在この細胞にE6,E7の他ras^*などのがん遺伝子を導入しがん化に必要な条件を検討中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sawada, M.: "Acid sphingomyelinase activation requires caspase-8 but not p53 nor reactive oxygen species during Fas-induced apoptosis in human glioma cells"Exp.Cell Res.. 273. 157-168 (2002)

  • [文献書誌] Okamoto, T.: "Clonal heterogeneity in differentiation potential of immortalized human mesenchymal stem cells"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 295. 354-361 (2002)

  • [文献書誌] Nakamura, H.: "Establishment of Immortal Normal and Ataxia Telangiectasia Fibroblast Cell Lines by Introduction of the hTERT Gene"J Radiat.Res.. 43. 167-174 (2002)

  • [文献書誌] Handa, K.: "Cementum matrix formation in vitro by cultured dental follicle cells"Bone. 31. 606-611 (2002)

  • [文献書誌] Kudoh, A.: "Reactivation of lytic replication from Epstein-Barr virus latently infected B-cells occurs with high S-phase CDK activity while inhibiting celluar DNA replication"J.Virol.. 77. 851-861 (2003)

  • [文献書誌] Imabayashi, H.: "Redifferentiation of dedifferentiated chondrocytes and chondrogenesis of human bone marrow stromal cells via chondrosphere formation with expression profiling by large-scale cDNA analysis"Exp.Cell Res.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] 清野 透: "老化研究の最前線"シュプリンガー・フェアラーク東京. 8 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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