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2004 年度 実績報告書

EGFファミリーによる細胞増殖の調節とその破綻による異常増殖機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14032202
研究機関大阪大学

研究代表者

目加田 英輔  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20135742)

研究分担者 岩本 亮  大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10213323)
キーワードHB-EGF / 卵巣癌 / CRM197
研究概要

EGFファミリーの細胞増殖因子は、細胞の増殖と分化誘導に携わる基本的増殖因子として、広範な組織の形成と再生過程に関わっている。このファミリーに関しては、これまで様々な研究がなされてきているが、その多くは受容体側に起こる反応を解析したもので、増殖シグナルを送る側の調節機構を研究したものは極めて限られている。我々は、EGFファミリーの一員であるHB-EGFの作用機構について詳しく解析してきた。その結果、HB-EGFでは、膜型と分泌型では異なった作用を持ち、膜型から分泌型への転換はこの分子の生理的役割に極めて重要な意味を持つことを明らかにした。また、遺伝子ターゲッティング法によって作製したHB-EGF遺伝子欠損マウスやHB-EGF切断に異常を持つマウスの解析から、膜型から分泌型への転換機構の乱れが細胞の過増殖を引き起こし、致死の原因となることが判明した。今年度は、HB-EGFあるいはHB-EGF切断機構の異常が癌細胞の細胞増殖能、造腫瘍性に関わるかどうかについてフォカスを絞り、研究を行った。その結果、1)HB-EGFは卵巣癌において特異的に高発現しているEGFリガンドであること、2)HB-EGF遺伝子の発現抑制や、蛋白レベルでの増殖因子活性の中和によって、卵巣癌細胞のヌードマウスでの腫瘍形成にHB-EGFの発現が必須であること、3)LPAを介したHB-EGFの切断が細胞の造腫瘍性に必須であること、4)HB-EGFの増殖因子活性を抑制するタンパク質CRM197の投与によって、腫瘍の増殖を抑制できることを見いだし、5)HB-EGFおよびHB-EGFの切断機構が卵巣癌治療の新たな標的として有力であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Heparin-binding EGF-like growth factor and the LPA-induced ectodomain shedding pathway is a promising target for the therapy of ovarian cancer.2004

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto, S.他12名
    • 雑誌名

      Cancer Res. 64・16

      ページ: 5720-572

  • [雑誌論文] Suppression of the biological activities of the EGF-like domain by the heparin-binding domain of heparin-binding EGF-like growth factor.2004

    • 著者名/発表者名
      Takazaki, 他3名
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279・45

      ページ: 47335-47343

  • [雑誌論文] Requirement for TSP-15, a tetraspanin protein, for epidermal integrity in Caenorhabditis elegans.2004

    • 著者名/発表者名
      Moribe, H., 他4名
    • 雑誌名

      J.Cell Sci. 117・22

      ページ: 5209-5220

  • [雑誌論文] Tetraspanin protein CD9 is a novel paranodal component regulating paranodal junctional formation.2004

    • 著者名/発表者名
      Ishibashi, T., 他6名
    • 雑誌名

      J.Neurosci. 24・1

      ページ: 96-102

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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