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2002 年度 実績報告書

水晶体発生過程をモデル系とした器官発生における細胞増殖、分化制御機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14033211
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 すみ子  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60240735)

キーワードゼブラフィッシュ / 細胞増殖 / 細胞分化 / 核崩壊 / 水晶体 / クリスタリン / アポトーシス
研究概要

水晶体では赤道面近くにある領域での局所的な増殖->停止->分化誘導->核崩壊の時系列での制御がその形成において極めて重要である。また水晶体の核崩壊はアポプトーシスと類似した機構の関与が提唱されているものの、水晶体の細胞は生涯にわたって核を伴わず機能し続けるので、どのような分子機構が核崩壊の過程に関与しているのか興味が持たれていた。αA-crystallinは水晶体の分化開始とともに発現する蛋白質である。本研究では我々が単離したゼブラフィッシュαA-crystallinプロモーターを用いてその制御下に様々な増殖、アポプトーシス関連機能遺伝子を発現させ、これによる水晶体の発生への影響を見てその分子機構を検討することを計画した。
αA-crystallinプロモーター部分約2,7kbを単離し、EGFPを発現させ水晶体の分化開始に伴って発現すること、網膜を含む他のどの臓器にも発現しないことを確認した。これまでにカスペース8,10、優勢劣勢変態FADD, FLIP, ICADなどをゼブラフィッシュ受精卵へのインジェクションにより発現させ、水晶体の形態観察に加えて核の状態をDAPI染色で、核のフラグメンテーションをin situTUNEL assayで、また細胞増殖をBrdU取り込みで観察した。その結果、水晶体の核崩壊にはFADD/caspase/CAD経路が関与している可能性があること、またその下流に断片化させた核をさらにヌクレオチドまで分解する酵素が機能している可能性があることが明らかになった。また一方で水晶体は腫瘍の観察されない臓器として知られている。実際、SV40largeT、βカテニンなどの遺伝子をこのプロモーター下で発現させても水晶体の腫瘍化は観察されなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nakamura, T.: "Cytokine receptor common beta subunit-mediated STAT5 activation confers NF-kB activation through IB-independent mechanism in murine proB cell line Ba/F3 cells"J. Biol. Chem.. 277. 6254-6265 (2002)

  • [文献書誌] Zeng, R.: "Stat5b shuttle between cytoplasm and nucleus in cytokine-dependent and-independent manner"J. Immunol.. 168. 4567-4575 (2002)

  • [文献書誌] Watanabe, S.: "Human GM-CSF induces HIV-1 LTR by multiple signalling pathways"Biochimie. 84(in press). (2002)

  • [文献書誌] Mitsui, T.: "Impaired neutrophil maturation in truncated murine G-CSF receptor-transgenic mice"Blood. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Akagawa, E.: "Analysis of the 5' promoters for human IL-3 and GM-CSF receptor a genes"Biochem. Biophys. Res. Comm.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Kurita, R.: "Suppression of lens growth by aA-crystallin promoter-driven expression of diphtheria toxin results in disruption of retinal cell organization in zebrafish"Dev. Biol.. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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